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データとハートを活かす人事を目指した成長奮闘記(?)です

物語で自分を変える:ハーバード・ビジネス・レビューの記事から学ぶ

「自分の何かを変えなければいけない」と思うことはありませんか?

 

私はしょっちゅう思います。人への接し方であったり、物の見方であったり、特にうまくいかないときには自分の何かを変えなければいけないなと考えます。なので、HBR(ハーバードビジネスレビュー)の記事でも”Change”という言葉には結構弱かったりしますね😅。

 

ということで今回も”To make a Change at Work, Tell Yourself a Different Story(仕事で何かを変えたければ自分自身に違う物語を話しかけなさい)”という記事のタイトルに興味をもって読みました。筆者は2人いて、一人は経営者幹部のコーチや大学の教授をしており、もう一人は日本で人事コンサルタントを経営している方です。

 

hbr.org

*記事へのアクセスは定期購読者以外は3本まで無料、そのあとは約9ドル(1記事あたり)かかります。

 

記事は以下のように始まります。

Human beings crave coherence. We long to be true to ourselves and to act in a way that’s consistent with what we believe and value. 

(人間は首尾一貫性を求める。自分自身に対して誠実でいたいと思うし、自分の信念や価値観に一貫して行動したいと思う)

 

確かにそうですね~。でもそれと物語はどう関係してくるのでしょうか?

 

Our brains create coherence by knitting together our internal experience and what we observe in our environment, through an automatic process of narration that explains why we and others do what we do. As we repeat the resulting stories to ourselves (often unconsciously), they become scripts and routines that guide our actions. And instead of recognizing our stories for the constructions they are, we may mistakenly interpret them as immutable truths, as “the way things are.”

すなわち

  • 脳は、自分の経験や見聞きしたことをつなぎ合わせて自動的に物語を作り、その物語が行動事由を説明することで首尾一貫性を保とうとする。
  • その物語はしばしば無意識に自分たちに語り掛け、行動指針となる。
  • その物語が作られているとも知らずに、間違ってその物語が「当然」と思う。

 

というのです。この傾向は特に日本ではよく見られるのかなと思います。比較的画一的な教育を受け、思考も似るように学校内外で訓練されているため、何も考えずに自分の考えが「常識」と思い、そうでない場合を「異端視」するという傾向ですね。

 

For better or for worse, our stories shape what we notice and how we interpret it. They inform our decision making and behavior. If, for instance, you see your workplace as a battlefield, you expect hostility. (いい意味でも悪い意味でも、私たちの物語が視点や解釈を形作ります。意思決定や行動を知らせるのです。例えば、会社を戦場だと思えば、対立が待ち受けているでしょう。)

 

そのため筆者はあるときには物語を変える必要があると主張をしています。そのためのステップは3つ

  1. identify and examine the stories you tell yourself and others. (現状自分や他人にどのような物語を語っているかを明らかにする)
  2. consider how it affects you. (現状の物語がどのように影響しているのかを考える(そのうえで、身体的なサインは言いカギをくれるといっています))
  3. consider what you’d like to change and how your story would need to shift to help you achieve the transition. (何を変えたくて、その変化にはどのような物語が必要かと考える)

記事の中では、成果主義で上昇志向のコンサルタントが突如やる気をなくし、コーチングを通じて違う物語を語るようになるという事例を紹介しています。

 

この記事自体で書かれていることは特に目新しいとは思いませんでしたが、1.物語というメタファーが自分の固まっている価値観や考えを見直すのにわかりやすいと思ったことと、2.Our stories are rarely created in isolation; they involve our relationships with others. (物語は単独で作られるのではなく、他者との関係が大きく関与する)ということ指摘されており、人事マネージャーとして組織文化の影響を考えさせられる記事にもなりました。

 

私も自分自身にいい物語を言い聞かせているか、常々問いたいと思います。