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データとハートを活かす人事を目指した成長奮闘記(?)です

頭のいい人が会社で残念な人になるのは何故?:ハーバード・ビジネス・レビューの記事から学ぶ

 

はじめに

 社会人になってから早いもので20年以上たちますが、組織で優秀な人は学歴に必ず比例していないというのが実感です。

 逆に「あの人東大卒なのにね~」と残念な人のようにいわれることも多いので、かえって大変だなと思います。

 ハーバード・ビジネス・レビュー(HBR)で、何故そういう人たちがビジネスで活躍できないのかということを取り扱った記事がありましたので、今回はこの記事を紹介したいと思います。

 タイトルは”5 Ways Smart People Sabotage Their Success (頭のいい人が成功できない5つの要因)”

 ちなみにSabotageというのは日本語のサボるの語源にもなっていますが日本語訳では通常「妨害工作を行う」と訳されています。日本語訳では少し意訳しましたが、重要なのは「成功できない要因は自分でつくっている(自分で妨害工作を行っている)」というところがこの記事の肝ですね。

 では5つの要因を見ていきましょう。

hbr.org

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頭のいい人がビジネスで活躍できない5つの原因

筆者が観察したところビジネスで活躍できない要因は以下の5つになります。

  1. Smart people sometimes devalue other skills, like relationship building, and over-concentrate on intellect. (頭のいい人は人間関係の構築といった他のスキルをないがしろにして知性に頼りすぎる):彼らは頭の良さを誉め続けられ、学生生活まではそれですべてがうまくいってきた人たちです。なので、自分の強みである知性・頭の良さだけに重きを置き、ビジネスで必要なほかのスキル(人間関係を構築するなど)を重視しないと活躍できない要因になります。
  2. Teamwork can be frustrating for very smart people. (非常に頭のいい人にとってチームワークを行うのはフラストレーションがたまる):頭のいい人は1を聞けば10わかる人も多いですよね。なので、チームで仕事をすると他のメンバーが自分と同じスピードで理解できないとフラストレーションがたまるというのです。また自分が仕事をすれば早いので、人に任せることがうまくないということもよくあります。
  3. Smart people often attach a lot of their self-esteem to being smart, which can decrease their resilience and lead to avoidance. (頭がいいため自尊心が高すぎて、融通性がなかったりリスクを避けようとする):1とも関連しますが、頭のいい人は学生時代まで褒められ、うまくやってきた人たちなので自尊心が高い傾向があります。そうすると、自分の問題点や課題をフィードバックでもらってもそれを聞き入れられなかったり、また失敗したくないので(失敗経験が少ないというのもあるのでしょうが)、リスクを取らないということが出てきます。
  4. Smart people get bored easily. (簡単に飽きる):自分の知性に重きを置きすぎて考えて行う仕事はするけれども、繰り返し同じことをするということについて飽きてしまう人がいます。とはいっても仕事の中では退屈な仕事をきちんと実行するというのも重要な場合がありますので、そういうところで成果が出せないというのですね。
  5. Smart people sometimes see in-depth thinking and reflection as the solution to every problem. (どの問題についても考えすぎる):頭のいい人たちは考えるスキルが強いためなんでも深く考えて答えを見つけようとします。ただ、現実の世界では深く考えた解決案だけが優れたものではないので(トライアルエラーをしたほうがいいこともありますしね)、結果が出せないということになるのですね。

この記事からの学び

 この記事を読んで自分の経験上、頭のいい人たちのうまくいかなかった傾向がうまくまとめられれているなと思いました。ただ、頭がいいかどうかに限らず、組織で活躍できない人は1)自分の弱みを認められない(自尊心が高い)、2)ビジネスで必要なことでなく自分の考えに固執する、3)チームワークができない という傾向があるような気がします。実際、自分の長い社会人生活の中でも、切羽詰まった時にこうした状況になっていたな~と思うことがあります(頭のいい人ではありませんが😅)。

 どんな時も自分が成長途上だと思い、周りから学ぶ姿勢を持ち続けたいなと思います。

記事で見つけたビジネスで使える英単語

 せっかくですので、記事で見つけた使える英単語をいくつか紹介したいと思います。

  • Outperform(優れた成果を出す):ご存知かと思いますが、英語で業績を表す般的な用語は”Performance”になります。動詞でもよく使い”She is performing very well.(彼女の仕事ぶりはいいね)"などと使います。Outperformはさらに抜きんでた成果を出すという意味ですね(記事でも文例)He sees people he outperformed at school who have now achieved more.
  • Leapfrog(飛び越える、飛躍する):Frogはご存知の通り「蛙」。蛙が飛ぶ様子から、すごく勢いが良い状況を指します。(記事での文例)There are colleagues at his firm who have leapfrogged him.
  • Delegate(権限委譲する、まかせる)仕事で自分より下位のレベルの人に仕事を託す場合に使います。外資系企業では部下にどれだけ仕事を任せられるかもマネージャーの大きな仕事ですし、仕事の効率性にもかかわってきますのでよく使いますね。(記事での文例)Smart people also sometimes find it difficult to delegate because of a sense they can do a task better.