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デジタルメディアで不幸にならないために必要なこと:ハーバード・ビジネス・レビューの記事から学ぶ?

 

メディアの見すぎで健康被害が増加?

1日に11時間以上アメリカ人の大人が行っていること、何だと思いますか?

 

実はメディアと接している時間だそうです。食べる時間はおろか睡眠時間よりも今やメディアに接する時間のほうが長いのです!!

 

スマートフォンの普及によりいつでもメディアに触れることができるようになりました。何気なく見ているのですが、それによるいろいろな健康被害が明らかになってきています。アメリカ人の5分の1がうつ病と診断され、1000万人以上の人が中程度の不安や気分障害を抱えているということです。

 

こうした精神的なダメージとメディアとの長時間接触の関係性はまだ明らかにはなっていません。ただし、ドーパミンやGABA、セロトニンなど人間の感情と深く結びつきのある神経伝達物質の発生が、デジタルツールの内容に影響があるということは脳科学や心理学の分野からは明らかになっているとのことです。

 

こうした事態に警鐘を鳴らした記事がハーバード・ビジネス・レビュー(HBR)に掲載されていました。タイトルは”Our Digital Lives Don’t Need to Make Us Unhappy, Unhelathy, and Unwise (デジタル生活により私たちがの幸せや健康や叡智が脅かされてはいけない)”です。

hbr.org

*記事の購読は定期購読者以外は3本まで無料。その後は1記事当たり約9ドル課金されます。

 

この記事は、冒頭にタバコが爆発的に普及し、その後健康への影響がわかるにつれて40年かかって喫煙者がようやく減っていった例が挙げられ、デジタルメディアも同じような道をたどるのではないかと述べています。

 

健康への被害が明らかになっているタバコとデジタルメディアを比べるなんて。。と思いますが、タバコも当初はその影響がわからず、何気なく吸っていたはずです。と考えると、今何気なくスマホなどでメディアに過剰に接し続けていると、今は特に精神的な不調がなくても、将来的に大きな影響を与えるかもしれないのです。

 

メディアとうまく付き合うために何が必要か?

これに対して筆者は1Literacy(理解力)、2Hygiene(衛生)、3Labeling(ラベル化)という3方面のアプローチ(three-pronged approach)で取り組むべきだと唱えています。

 

Literacy(理解力):コンテンツのタイプごとによりレベルを深め、脳に対する影響や感情面での影響を明らかにするということを国レベルで行っていくべきだというのです。たとえばFood Pyramid(ご存じですか?よければググってください😄)のようにそれぞれどれだけ取るのかというようなことが一目でわかるようにすると、社会全体の理解力が高まるだろうと主張しています。

 

2Hygiene(衛生):実際にデジタルツールを何時使うべきか、使うべきではないかのルール作りをするということです。例えば寝る直前にデジタルツールを見ることは睡眠に悪影響を与えることはよく知られていますが、スマホで一定時間帯は見れないようにするというのもひとつの手法かもしれません。

 

3Labeling(ラベル化):映画では配給前に検閲があって観客対象年齢によりラベル化されていますが、このようなことをデジタルコンテンツでも進めていくべきだというのです。実際にこのようなラベル化をしようという動きは今進んでいるとのことです。

 

この3つのアプローチはタバコの規制、食べ物への理解、テレビや映画のコンテンツの規制といった過去の成功例から筆者が提唱しています。ただし、こうした取り組みは政府が業界と組んで主導していくにしても、実際に一人一人が必要だと思い、実践していかなければ成功はしません。そういう意味で、このような取り組みが進んでいくかどうかは私たち個人にかかっていくのだと思います。

 

この記事を読んで

以前の記事でも書きましたが、スマホを持ち始めてスキマ時間を持てなくなったという点で行動が大きく変わったと思います。そのほかにも、すぐに情報が手に入ることが当たり前になり、逆に入らなければイライラするというようなことだったりもあるような気がします。これらは自分が気付いていることですが、このことが自分の心身面でどういう影響があるのかわかりませんし、また気づいていないところでも大きな影響があるかもしれません。

millebon.hatenablog.com

現在の情報の過剰摂取をタバコの例になぞらえられると、デジタルツールに対する付き合い方を見直さないといけないなと思いました。少なくとも必要以上にツールを見たり情報を検索したりすることは控えることと、何か思うように情報が手に入らなくても、それを楽しむ余裕を持ちたいですね。