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250のプラットフォーマー研究から見出した失敗の理由:ハーバード・ビジネス・レビュー(HBR)の記事の記事から学ぶ

 

プラットフォーマーは成長株だが。。

GAFAを筆頭に、プラットフォームビジネスは今もっともホットな業界だといってもいいでしょう。

 

今回の記事の筆者が、過去20年間、Forbes2000(アメリカのビジネス雑誌フォーブスが選んだ世界最大の上場企業)に掲載されていたプラットフォーマー43社を調べたところ、

という結果が得られました。

 

またプラットフォームには2種類のプラットフォームがあるといいます。

  • Innovation platforms enable third-party firms to add complementary products and services to a core product or technology. (主流商品やテクノロジーに第三者が付加商品やサービスを提供するイノベーションプラットフォーム」):iPhoneAndroidに提供するアプリなどがその典型例ですね。

 

  • Transaction platforms enable the exchange of information, goods, or services.(情報、商品、サービスの交換を可能にする「仲介型プラットフォーム」):Airbnb(民泊の仲介)やUber(配車サービス)などがこれにあたります。

 

よくプラットフォームはgrab(陣取りゲーム)のように、先行逃げ切り型のように思われがちですが、必ずしもそうではないようです。

 

筆者は過去20年間アメリカで台頭した250のプラットフォーマーから失敗原因を4つ見出し、そこから学ぶべきことを提唱しています。

 

今回紹介するハーバードビジネスレビュー(HBR)の記事のタイトルは”A Study of More Than 250 Platforms Reveals Why Most Fail (250以上のプラットフォームから明らかになった失敗の理由)”です。

 hbr.org

*記事の購読は定期購読者以外は3本まで無料。その後は1記事当たり約9ドル課金されます。

 

調査対象となったのは、成功した43のプラットフォームと失敗した209のプラットフォーム。ここから得られたのは4つの原因だといいます。

 

プラットフォーマーが失敗する4つの原因とその対策

 では4つの原因を見ていきましょう。

  • mispricing on one side of the market (マーケットの片方の価格設定の失敗):プラットフォームではサービス(商品)を提供する側、もしくは受ける側のどちらかが費用を不平等に負担し、他方の参加を呼び掛ける必要があります。そういう意味で誰がどの程度費用を負担するかが非常に重要になります。また競合がある場合には当初赤字覚悟での価格設定が必要になることもあります。それで失敗したのがSidecarという配車サービスです。UberLyftの前にサービスを開始していましたが、そうした需要供給者の参加の必要性を重視せず、イノベーションを重視し、またスピード感もなかったためUberLyftの競争に負けてしまいました。

 

  • failure to develop trust with users and partners(利用者、パートナーとの信頼関係の構築に失敗する):「仲介型プラットフォーム」では見知らぬ第三者同志をつなぐのですから信頼を築き上げるというのは非常に重要です。またその信頼の築く方法も国によって違います。例えばE-commerce企業のeBayは中国でオンラインショッピングを立ち上げた最初の企業でしたが、他の先進国と同じように企業が商品を届ける前に代金を支払う方法で進出しました。ただ、この方法はオンラインショッピングを知らない(そして知らない相手を信用しない)中国では受け入れられず、「消費者が満足するまで支払いを業者にしない"escrow model"」を導入したアリババが中国のE-commerce市場を独占することになったのです。

 

  • prematurely dismissing the competition(独占状態にあぐらをかく):あるプラットフォーマーが独占したらその市場競争は終わり。。これは必ずしも正しくありません。典型的な例はマイクロソフトInternet Explorerでしょう。2004年には95%のシェアがあったにもかかわらず、2004年―2008年でのアップデートがまずかったため、FirefoxGoogle Chromeといった新しいブラウザーが主流になってしまったのです。

 

  • entering too late(導入が遅すぎる):といっても参入のタイミングが悪いとどんなに投資してもうまくはいきません。この典型もMicrocoft(また!)のWindows Phoneです。iPhoneから5年、Androidから3年後に莫大な投資でWindowsPhoneを立ち上げましたがMicrosoftはその参入に失敗しました。

 

筆者はこうした分析を基に過去の事例から学ぶことの重要性を主張しています。そしてとくに重要なのが「圧倒的独占状態になってもその地位に胡坐をかかないこと」です。Internet Explorerの例にもれず圧倒的に強い地位でもその製品・サービスレベルが下がるとどんどん台頭する後発業者に追いつかれます。優位な地位にあっても常にアップグレードを心掛ける。。これはプラットフォームに限らずどの業界、そして人にも言えることですね。

 

10年後のプラットフォーマーGAFAのままなのでしょうか?日本でも世界で活躍するプラットフォーマーが出てくるのでしょうか?こうご期待!

 

記事から学ぶ役に立つビジネス英語

  • publicly-listed platform companies (上場しているプラットフォーム企業):英語では上場企業のことをpublicly-listed companiesといいます。要は公の目にさらされるということですね。また上場することgo publicといいます。この記事でもUberLyftのことを(even though they have gone public(上場したのに(利益が出ていない)) と表現しています。

 

  • put trust front and center (信頼を前面もしくは中心におく):なにかを前面、中心に押し出すということを政策的に述べるのに準備です。例えば"put customers center (顧客を中心に置く)”など。