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企業文化とは?:ハーバード・ビジネス・レビューの記事から学ぶ

 

企業文化とは?

企業が上手くいっているときも何か不祥事があったとしても、その原因はよく企業文化だといわれることが多いです。

 

今までこのブログでも顧客を中心に据えた企業文化の作り方や、目的志向の企業が好業績を収めているなどのハーバードビジネスレビューの記事を紹介してきました。

 

一方で企業文化という言葉はとてもあいまいで、直接的な原因がわからない時の逃げ口上として使われていることも多いような気がします(特に不祥事においては)。

 

こうした企業文化を数十年の組織研究等からどの業界・地域・企業サイズにおいても当てはまる企業文化フレームワークをハーバード・ビジネス・レビュー(HBR)の記事より紹介したいと思います。紹介したいと思います。

 

”Culture Factor(企業文化の要素)”というタイトルの記事で、だれでも無料で読める記事です。自分の企業の文化診断もできますのでもしよければ読んでみてください。

hbr.org

 

企業文化のフレームワーク

この記事の中で企業文化とは、組織における暗黙の社会規範(tacit social order of an organization) だといっています。この社会規範により、どのような行動や態度が望ましいと考えられるかが決められます。

 

この記事でもそうですが、企業文化とそこで働く従業員の価値観やニーズと一致している場合、企業文化が企業の長期的な成功(そしてもちろん社員の成功や幸せ)に非常にプラスなインパクトがあるというのが欧米での一般的な考え方です。ですので、絶対的にいい会社、悪い会社があるのではなく、自分の価値観にあった企業を選ぶことが重要だというのが少なくとも欧米の管理職以上では浸透している考え方かと思います(日本ではまだ主流でないかと思います)。

 

では企業文化を理解するものとは何なのでしょうか?この記事では①社員同士のかかわり(How people interact) と②変化への対応(How people respond to change)という2つの要素が重要であるとし、この2軸で企業文化を以下の8つにマッピングしています。

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企業文化の8つの分類

 

地域による違いはあるか?

では実際どのような企業文化が多いのでしょうか。地域によって差があるのかをハーバード・ビジネス・レビュー(HBR)の読者が回答した13,000近くのアンケートからの集計結果がつい最近出ました。こちらの記事もHBR定期購読者でなくても読めるようですのでよろしければ読んでみてください。

hbr.org

 

ちなみに、13,000の回答結果の43%は北米地域以外からの回答ということです。それ以上の地域分布の詳細は記事にはないのでわかりませんが、欧米が中心ではないのかと推察されます。

 

結果としては、地域による差はあるものの地域をまたがって一定の企業文化がよく見られました。どの地域でも”ケア重視(関係性や信頼を重視)”が一番顕著な企業文化として見られ、”権限重視(統制が強くリーダーの力が強い)”がほとんどの地域で一番見られない企業文化となりました。

 

地域による違いとしては、「変化への対応」がアフリカ地域では柔軟性が顕著で、東欧や中東では安定性が重視されているということ、また「社員同士のかかわり」では北米・南米・西欧では個人プレイを重視するのに対し、アジア・オセアニア地域ではチームプレイが重視されているというようなことです。

 

では日本の企業はどうでしょうか?HBRの読者で日本の読者は少ないと思うのでこの調査結果には反映されていないと思うのですが、私の勝手な印象としては”規則重視”、”安定志向”という右下に入るグループが多いのではないかと思います。

 

私も自分の今の会社でアンケートを回答しましたが、ヨーロッパ企業にもかかわらず日本的な企業風土が強いで規則重視”、”安定志向”という結果になりました。

 

企業文化を測る方法は多くありますが、自分の企業を考えるうえで、また自分のキャリアを考えるうえでも一つの参考にしてみてはいかがでしょうか?