人とのつながりを感じるためにはメールやSNSよりも電話:ハーバードビジネスレビューの記事から学ぶ
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どのコミュニケーションツールを使うか迷いませんか?
私が社会人になった時にはまだ仕事でメールを使うことはなく、コミュニケーションツールは電話とファックスがメインでした。
それや今ではすぐに連絡を取りたいときは電話はほとんど使わず、社内外のコミュニケーションはメールもがメインとなっています。
社内では、在宅勤務が主流となってから対面で話すことが少なくなったために、Skypeでのチャットもよく利用します。電話をするときもまずチャットで「電話をしていいか」確認をしてから電話をするようにしています。
相手の顔が見えない中でどのコミュニケーションツールを使うのか悩む際に”Research:Type Less, Talk More (調査研究:タイプを少なくし、もっと話そう)”というハーバードビジネスレビュー(HBR)の記事が目につきましたので今回はこの記事を紹介したいと思います。
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つながりを感じたいなら「電話」でつながった方がいい
この記事では、コミュニケーションツールは「情報の伝達手段だけでなく人間関係を維持する手段」であり、後者の視点からどのコミュニケーションが適切かをいくつかの調査研究結果を通じて紹介しています。
人間関係・社会関係の維持は社会的動物である人間にとって自分たちの幸福や健康にとって不可欠なものであり、いい関係ができていれば仕事もスムーズにいきますからね。
いくつかの実験結果から結論はずばり「メッセージを打つより話した方が関係性に良い影響を及ぼすので、できるだけ話した方がいい」というものです。
でも人はメッセージを打つ方を好むのでしょうか?それはつながる前まではメッセージの方が電話で話すよりもスムーズにコミュニケーションができると感じることが多いからなのです。
でもこの前提は正しくありません。実際筆者が行った実験では長らく連絡を取っていなかった友人にメールか電話どちらかで連絡を取るように人々にランダムにお願いしました。
結果は電話で話した方が友人とのつながり・親近感をより感じられただけでなく、電話でもメッセージをタイプしてもコミュニケーションのスムーズさは変わらなかったのです。
つまり、コミュニケーションする前、勝手な思い込みで目に見えない壁を作ってしまい、電話で声を聞いた時のメリットを受けそこなっているということですね。
これを読んで、もっと電話でつながろうと思いました。
ビデオ通話と普通の電話、どっちがいい?
ただ、この記事で意外だったのは「ビデオ通話で相手の顔を見て話しても、声だけの普通の電話とつながりや親近感に違いがない」という結論だったことです。
筆者は見知らぬ人に対してチャット、ビデオ通話、音声のみのいずれかで人生についての意味のある質問を投げかけてもらう実験をしました。結果チャットとビデオ通話、音声ではビデオ通話、音声ではよりつながりを感じましたが、ビデオ通話で相手の顔が見えたことでよりつながり・親近感を感じるということはなかったそうです。
この意外性の感覚は、よく言われているメッセージの伝達の中で言葉が占める割合が7%、声やトーン・口調は38%、ボディランゲージは55%という「メラビアンの法則」からきているかもしれません。
でも実際この「メラビアン」の法則は言葉/声やトーン・口調/ボディランゲージの要素が矛盾した内容を送っている状況に置いての伝達の割合なので人とのつながりという点で顔を見た方がいいかどうかはまた別なのかもしれませんね。
また、ビデオ通話だと会話への集中度合は高い場合が多いような気がします(目線を相手に合わせないといけないため)。その分話をよく聞いてくれている、聞いているという状況はできやすいかと思いますが、電話でも集中して聞けば(スマホなどをいじらず)同じくらいの親近感はあるかもですね。
声の重要さ、もっと大事にしようっと。