2021年以降働き方はどう変わる?①:ハーバードビジネスレビューの記事から学ぶ
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アメリカではコロナ収束後もリモート可能が前提?
2020年はコロナによって働き方が大きく変わった人も多いのではないでしょうか?
私もその一人でこれほど家にこもり、働くことになるとは思いませんでした。
年末にはワクチンが承認され明るい兆しも出てきていますが、落ち着いた後テレワークはどうなるのでしょうか?
コロナ禍で継続的にテレワークの実態調査を行っているパーソル研究所によるとコロナ収束後もテレワークを希望している社員は78.6%と調査を重ねるごとに希望する割合が上がってきています。
といいつつ、同調査の3割の企業は「収束後は全員出社に戻す」と回答しているので、日本ではテレワークがどれだけ継続するかは疑問なところはあります。
そうした中、ハーバードビジネスレビュー(HBR)で2021年以降の働き方の9つのトレンドを紹介した記事がありましたのでこちらをご紹介したいと思います。
タイトルは”9 Trends Tha Will Shape Work in 2021 and Beyond(2021年以降の働き方の9つのトレンド)"です。
*記事の購読は定期購読者以外は3本まで無料。その後は1記事当たり約9ドル課金されます。
筆者はGartner社という世界的な調査・コンサルティング会社のHR部門の調査部長です。2020年にはコロナでリモートワークをする労働者が大幅に増加したという変化ががありましたが、2021年以降変化はさらに続くと予想しています。
2021年以降の働き方のトレンド9つ
9つのトレンドは以下の通りです。コロナの影響が大きいことはもちろんですが、コロナ以降のリモートワークが前提だというところもまた興味深いですね。
- Employers will shift from managing the employee experience to managing the life experience of their employees. (企業は働き方におけ会社での働き方だけでなく社員の生活全体を考慮する方向に移行する)
- More companies will adopt stances on current societal and political debates. (より多くの企業が現在の社会・政治的議論に対して行動をとる)
- The gender-wage gap will continue to increase as employees return to the office. (社員が出社できるようになると男女間での賃金格差が広がる)
- New regulations will limit employee monitoring. (社員の(遠隔)監視を制限する規制が導入される)
- Flexibility will shift from location to time. (勤務場所ではなく労働時間に対する柔軟性に移行する)
- Leading companies wil make bulk purchases of the Covid vaccine for employees- and will be sued over Covid vaccine requirements. (大企業は社員向けにワクチンを大量購入し、またワクチン接種の義務付けにより訴訟を起こされる)
- Mental health support is the new normal. (社員のメンタルヘルスへの支援が普通になる)
- Employers will look to 'rent' talent to fill the skills gap. (企業は不足するスキルを補うために、人材を”借りる”)
- States will compete to attract individual talent rather than trying to get companies to relocate. (州政府は企業誘致ではなく個人の移住誘致を競い合う)
テレワークの普及により男女の賃金格差が広がる?
9つの中で私が注目したのは赤字の3つです。
3.The gender-wage gap will continue to increase as employees return to the office. (社員が出社できるようになると男女間での賃金格差が広がる)
この理由は以下の通りです。
普通出社できるようになりテレワークが選択制になった場合、会社に戻る割合は男性の方が多くなる。
↓
上司は会社で仕事をする社員の方が、テレワークで働く社員よりもパフォーマンスが高い社員だと考えている。
↓
男性の給与が高くなる。
ということなのです。日本でも同じような傾向や上司の考え方がありそうですよね。
ただ、パフォーマンスの調査の結果は逆だというのです。
テレワークの社員の方が5%オフィスワーカーよりもハイパフォーマーである確率が高いというのです。
となると本当はパフォーマンスが高い社員が在宅かどうかにより不当な評価をされることにつながりかねません。
日本ではテレワークに対するパフォーマンスに疑義を抱いている上司はさらに多いと思いますし、そういう点でテレワークをするかしないかによる評価の違いには注視する必要がありそうですね。
次回は残り2つのトレンドについてもう少し深彫りをしたいと思います。