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音声認識システムを利用するために知っておくべきこと②:ハーバード・ビジネス・レビューの記事から学ぶ

 

スマートスピーカーに対して人は無防備?

先週の記事(音声認識システムを利用するために知っておくべきこと①)からの続きです。

millebon.hatenablog.com

”Siri"や”OK google"、スマートスピーカーの課題の3番目として、「(スマートスピーカーの場合とりわけ)気づかない間にデータが集められてること」ということをあげました。

 

紹介したハーバードビジネスレビュー(HBR)の記事(2つ目のThe Ethics of Smart Devices That Analyze How we Speak(スマートスピーカーが話し方を分析する倫理)*)を読んで興味深かった第一の点はAIスピーカーを家族や友人のように扱って話す人が多くいるという点です。

*記事の購読は定期購読者以外は3本まで無料。その後は1記事当たり約9ドル課金されます。

 

これはAmazonがすでに気付いていることで、自分の気持ちを話したり、時には「Alexa, I love you」と恋人のように声をかける人もいるとのことです!

 

結果として自分が気付かない間に多くの個人情報(年齢や会社名という物理的なことだけでなく、自分の性格、体調、はたまた周りの人の好き嫌い)が気付かない間に第三者に共有されているということが起こっているのです。

 

面と向かって尋ねられたら絶対に共有しないことも、スマートスピーカーだとその壁が(意識しているかしないに関わらず)がくんと下がっているということがあるということです。

 

第2の興味深い点はスマートスピーカーを使っている人がGoogleAmazonにスピーカーを通じて情報を提供することをあまり気にしていないという調査結果です。

 

スマートスピーカーのプライバシーの扱いについての調査で発表されているものが1つしか見つけられなかったため(こちらでその概要が読めます。HBRの記事でないため無料で読むことができます😊)、この結果がユーザー全体を代表しているとはいいがたいのですが、調査を行ったミシガン大学の教授は以下のように要約しています。

 

People were resigned to giving up their privacy, and they rationalize this choice by saying it’s just a little more data that Google is getting or Amazon is getting about me. (人々はプライバシーをあきらめ、Googleやアマゾンが自分について集められる情報はそんなに大したことないと正当化して購入しているのです)。

 

確かに、情報を見知らぬ間に提供することで表立ってマイナス面がなければこのように正当化したい気持ちもわかります。でも何か被害が起きてからではすでに遅いんですよね。アメリカの夫婦の会話がAmazonのAlexaを通じてメールで送られていたという事件は日本のニュースでも話題になりました。

 

www.itmedia.co.jp

 

ご紹介したハーバードビジネスレビュー(HBR)の記事の最後は以下のように締めくくっています。

 

In business, we’ve gotten used to being careful about what we write in emails, in case information goes astray. We need to develop a similar wary attitude to having sensitive conversations close to connected devices. (ビジネスでメールを書くときは情報が拡散しても問題がないように注意して書きます。スマートスピーカーの近くで人に聞かれたくない会話をする際には同様の注意を身に着ける必要があります)

 

この記事を読んで

この記事を読んで2つ疑問に思いました。

  1. スマートスピーカーは持ってないしSiriは使ってないけどスマホやスマートウォッチで同じようなことをしているのではないか? 
  2. スマートスピーカーと盗聴器の線引きってどこにあるのだろう? 

「見知らぬ間に情報を提供する」手段としては声に限らず、インターネットでの検索やスマートウォッチに自然に(?)ためられる情報もそうなのです。自分では無意識にやっていることが知らない間に第三者にわたり、何らかの情報に使われているというリスクもなきしもあらずではないかなと思いました。

 

そのハードルがさらに低くなるのがスマートスピーカーなのでより注意が必要だということになりますね。まずは自分でどのような情報がそういったプラットフォーマーに提供されているのかをきちんと知ること、少しでも疑いのあるケースや情報漏洩を嫌だと思うものはネットに掲載しないほうがいいのかもしれません。

 

そのためにもプラットフォーマーは①どこまで情報を収集いるのかをわかりやすく説明すること、②重要な個人情報が漏洩しないようしっかりシステムを構築することをお願いしたいものです。

 

スマートスピーカーの購入はまだ先かな・・。