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AIがその人の信頼できるかどうかの判断をサポートしてくれる?:ハーバードビジネスレビューの記事から学ぶ

 

AIに対する信頼はアメリカでも低い?

AIは社会や私たちの働き方を大きく変える可能性があり、ハーバードビジネスレビューでもホットトピックの1つです。

 

私自身も興味があるので、すでにアメリカで普及が大きく進んでいるAIスピーカーGoogle HomeやAlexa)の問題点などが指摘された記事などをこのブログで紹介してきました。(もしよければこちらをご覧ください😊)。

 

ではAIに「この人は信頼できるかどうか」という情報を提供されたらその情報を信頼しますか?

 

そのような大胆(?)な実験結果を紹介した記事を今回はご紹介したいと思います。

タイトルは”Can Algorithms Helps Us Decide Who to Trust? (アルゴリズムは信頼すべき人を決めるのを助けてくれるか?)”です。

  
hbr.org

 *記事の購読は定期購読者以外は3本まで無料。その後は1記事当たり約9ドル課金されます。

 

ちなみにAIの導入に対しては、日本よりも先進であるアメリカでもAIの利用に懐疑的な側面があります。記事では、78%のアメリカ人が自動運転を怖いと感じていますし、医療の分野ではAIがより正確な診断をする場合があったとしても、医師による診断のほうが好まれているという調査結果を示しています。

 

それ以外にも日本の総務省が行った「ICTの進化が雇用と働き方に及ぼす影響に関する調査研究」(2016年)によると、アメリカでの職場への導入が望ましいくないと思っている割合は35%と、日本(17%)よりも大幅に上回っています。といってもAIが職場に対する影響が日本人の場合はイメージができず「(望ましいか望ましくないか)どちらともいえない」が半数を占めているのもあるんですけどね😅(詳細はこちらの総務省のHPを参考にしてください)。

 

AIが人の信頼度を判断したら。。

 さて、実験はどのように行われたのでしょうか。

参加者:167名(男女半々、社会人歴の平均8.7年)

前提:

  • 見知らぬ人とペアを組んで、信頼性が高ければ評価が高くなる仕事を一緒に行う。
  • 参加者はその人が信頼できるかどうかの評価について1)AIベース2)他者とそのペアを組む人の15分の会話に参加した人からの情報 のどちらかで提供される。
  • AIベースの情報は、調査時点で質がいいものを提供するという評判のものを利用。参加者はそのAIが人々の信頼性についてのアドバイスを提供するものであるというAIに関するウェブサイトを見てもらい、実験段階であるとの説明を受ける。

 

さて、実験結果は意外にもAIによる情報への信頼性は高かったようです。

  • 参加者1)AI か2)人間を通じての情報どちらでの情報提供を好むかと尋ねた時、AIのほうを選ぶ人が人間を通じた情報よりも選ぶ人のほうがずっと多かった(AIは61%、人間は39%)。
  • 仕事の出来については、信頼性が高いという情報があった相手のほうがそうでない相手よりも高かったが、信頼性の評価の方法(AIベースか人を通じての情報か)でも変わらない。

 

この実験結果から学べること

この実験結果から、筆者は人への信頼性についてもAIと人間を通じた情報それぞれに違うメリットがあると考えているようだと結論付けています。すなわち

  • AIの情報が信頼できる分野:直感的でなく事実ベースのもの
  • 人間を通じた情報が信頼できる分野:直感的であったり、社交性、他人の視点を受け止めるといったもの

これは何となく(直感的に)理解できますよね。ですので、仕事において初めて会った人へのスキルや能力といった部分における信頼性をすぐに得るためには、AIは有効でしょうが、仕事以外(家族や友人などより感情的な部分や社交性が優先される場面)や仕事においても長期間になると、感情的な信頼性が重要になってくると、人を通じた情報がより重要視されることになるだろうということです。

 

もちろんこれは1回の実験結果ですし、日本では同じような結果になることはわかりません。ただ、人の信頼性に関わらず、AIが万全ではないけれども人間が苦手な分野を補ってくるパートナーとして利用することは可能だろうし、そのためにはAIがどのように設定されるのかを知ることが重要なのではないかと思いました。

 

この分野はこれからどんどん進歩していくでしょう。ハーバードビジネスレビューなどを読みながら、最新の情報にアップデートしていくように精進していきたいです。