自分のタイプに合わせた対策で在宅勤務を快適に:ハーバードビジネスレビューの記事から学ぶ
在宅勤務で難しいのは公私の境目?
コロナ禍で広がった在宅勤務ですが、落ち着きを見せている今通常の勤務形態に戻っている会社も多いようです。
その一方で、カルビーがオフィス勤務者について7月から原則在宅勤務にしたり、キリンや日立製作所でもコロナ禍に関わらず在宅勤務をベースとする動きがあるなど、企業によってはより在宅勤務が推進されるところもあるでしょう。
- 新型コロナ:在宅勤務 評価割れる 伊藤忠は原則出社に、日立は継続 :日本経済新聞
- コロナ禍、家族の形を再定義 カルビー、単身赴任見直し :日本経済新聞
- 新型コロナ:キリンホールディングス、期限定めず出社上限3割に :日本経済新聞
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在宅勤務では通勤時間の削減などにより、「自分・家族との時間がとれる=ワークライフバランスがとりやすい」といった意見もある一方、仕事とプライベートの区別をつけることが難しいという側面もあります。
在宅勤務でなくても、特に会社のスマートフォンやタブレットの貸し出しにより、いつでも「仕事モード」になれるということが課題としてありますね。
英語ではこのようないつでも仕事モードになれるような状況のことを「Always-on」(オフの逆ですね)というようです。
このような「Always-on」でのネガティブな側面をどのように克服したらいいのか、それをMBTI(マイヤーズブリッグスタイプ)という、志向・タイプ別にアドバイスをした記事がハーバードビジネスレビュー(HBR)にありましたので今回はこれを紹介したいと思います。
タイトルは”How Different Personality Types Cope with an Always-on Culture (タイプ別に「常に仕事モード」という企業文化に対処する方法)”です。
今回は記事とともに、その記事の基となった調査にも興味深い内容があったので両方を紹介しますね。
*記事の購読は定期購読者以外は3本まで無料。その後は1記事当たり約9ドル課金されます。
調査研究内容 (こちらは無料でダウンロードできます)
https://eu.themyersbriggs.com/download/item/71b0f6fa3b354cef8c62971eb519e3e4
まずはすべての人が「常に仕事モード」をネガティブなものととらえているわけではないということです。実際調査に回答した10%の人は、すぐに回答が得られる、勤務する時間や場所を選ばず柔軟に対応できるというように好意的に受け止めています。
ただ、実際には、公私の区別がつきにくい、プライベートにまで仕事が侵食するというネガティブな回答が多いようです。
ちなみにこの調査の対象者はヨーロッパ(6割近くがイギリス)がメインとなっていますので日本人で行うと異なるかもしれませんが、上記の回答に納得という人も多いのではないでしょうか?
MBTI(マイヤーズブリッグスタイプ・指向)とは?
MBTIはユングのタイプ論を基にした性格検査でグローバル企業では個人のそれぞれの志向・タイプを知るためによく使われています。
背景・概要は日本MBTI協会のホームページを見ていただければいいのですが、簡単にいうと4つの基準についてどちらの指向・タイプが強いかということを検査の結果判断するものです。
- 外向(Extravert) vs 内向(Intravert) :興味の関心が、自分の外の世界にあるのか(外向)、内なる世界にあるのか(内向)。
- 感覚(Sensing) vs 直観(Intuition):焦点を当てるのが、より現在で五感を通して得られた具体的な情報なのか(感覚)、より将来でパターンを把握し可能性に着目するのか(直観)。
- 思考(Thinking) vs 感情(Feeling): 判断基準が、論理や因果関係など客観的な分析に基づくのか(思考)、自分や人の気持ちに焦点を当てるのか(感情)。
- 判断的態度(Judging) vs 知覚的態度(Perceiving): 計画を立てたり、方向付けをすること、物事が想定通りに収まることを好む傾向があるのか(判断的態度)、その場その場に合わせた臨機応変なアプローチを好み、最後まで様々な選択肢を残したままにしておくのか(知覚的態度)。
判断は検査を基にその資格を持ったユーザーが行ってくれるのですが、それぞれの指向・タイプでその度合いがどれだけ明確かということも教えてくれます。
ちなみに私は、内向(Intravert)、感覚(Sensing)、思考(Thinking)、判断的態度(Judging)です。会社でこの結果に基づいてケーススタディ「こういう場合どうする?」を話し合いましたが、特に感情(Feeling)が強い人との違いを実感しました。
タイプにより公私の境目についての好みが異なる?
調査の結果タイプにより異なる結果が出たのは以下の3つでした。
- 外向タイプはスマートフォンやラップトップでいつでも仕事ができる状況を好む傾向にあるのに対し、内向タイプは仕事と家にきちんとした境目があることを好む
- 感覚的タイプは家庭と仕事を分けたい傾向が強く、いつも仕事モードという働き方に対してストレスを感じる。
- 判断的タイプの人は家庭と仕事を分けたい傾向が強く会社のスマートフォンも持ちたいが、常に仕事モードはストレスとなる。
この結果で言うと私は常に仕事モードにあることにストレスを感じる傾向があるということになりますね😅
確かに、公私の区別はつけたいので、よほど何か突発的に仕事が入ってこない限りは会社のスマートフォンは見ないようにしています。
こうした結果を踏まえて、会社のPCやスマートフォンを意図的に切って公私の区別をつけるとともに、他者とのコミュニケーションについては違いがあることを考慮したうえでコミュニケーションすることが重要だと筆者は述べています。
自分で対策を立てつつ、相手が自分と異なるということを理解して接することが特にリモートでの仕事には必要かもしれません。
ストレスをためず、在宅勤務のいい面を活用できるようにしたいものですね😉