テレワークでモチベーション維持に必要なこと:ハーバードビジネスレビューの記事から学ぶ
在宅勤務(テレワーク)はモチベーションが下がることが多い?
コロナウィルスの感染者数の増加が止まらない中、急遽在宅勤務(テレワーク)をすることになったという方も多いのではないでしょうか?
日本ではそれでも「お願い」レベルですが、海外では在宅勤務が「命令」のところも少なくありません。
総務省がまとめた数年前に調査結果をみるとコロナ危機前よりアメリカでは85%の企業が在宅勤務制度を導入し全就業者の20%が在宅で勤務しており、「命令」できる素地はできていたといえます。
ただし、ヨーロッパでは導入企業の割合が20~30%台、日本はその時11.5%ですから日本よりも普及が進んでいたという状況でしょうか。
急に始まった在宅勤務について新聞・雑誌でもいろいろ書かれていますが、モチベーションや生産性を維持するにはどうすればいいのでしょうか?
それについて過去の調査や経験からのアドバイスをまとめた記事をハーバードビジネスレビュー(HBR)の記事で見つけましたので今回はこの記事をご紹介したいと思います。
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この記事での大きな学びは過去の在宅勤務に関する調査結果からの生産性やモチベーションへの影響です。
まとめると
- 在宅勤務での生産性についての調査結果については意見が分かれている(向上するという結果もあればそうでないという結果もある)。
- モチベーションでいうと、特に在宅勤務を余儀なくされるときにはオフィス勤務時よりもモチベーションは大幅に下がる(筆者の2万人の会社員を対象とした調査では17ポイント下がったということです)。
ということになります。
仕事にモチベーションが下がる原因としては筆者は3つの観点から説明しており、このコロナ危機下では影響があるものばかりです。
最初の2つは精神的及び経済的なプレッシャーです(Emotional Pressure and economic pressure)。仕事がいつなくなるかわからない、ウィルスにかからないように健康に気を遣わなければいけないという状況では自然と圧力がかかります。
最後の1つが仕事へのやる気の喪失(Inertia for work)です。在宅での仕事は「処理をしないといけない」仕事に優先を置きがちで、将来を考えたりクリエイティブな仕事をしようという気が失せるというのです。
そのため、リーダーが在宅勤務でモチベーションが下がっている状況に対して取り組みを行わなければ、通常の状況に戻った時もモチベーションの向上が難しく仕事の質や創造性に影響がさけられないというのです。
モチベーションを維持するために取るべき対策とは?
では何をすればいいのでしょうか。
筆者は本当に重要な課題に対して試行錯誤(Experiment)をしたり、問題解決にあたらせることが重要だというのです。
もちろん、メンバーがそれぞれの家で働いている中何をすべきかを決めることも簡単ではありません。そこをメンバーに問いかけ、調整することがリーダーの役割だというのです。
具体的な方法としては以下のようなことを推奨しています。
1.社員について大切だと思う指標を計測する。例えばモチベーションが社員にとって大切だと思うなら、現在の状況をウェブアンケートなどで測り、社員のモチベーションを上げる(下げる)ものは何かを社員とともに議論し、対策をとる。
2.仕事の半分はルーティン業務でなく、試行錯誤したり問題解決の仕事に充てる。
そしてそのためにチームで以下のような1週間のスケジュールを組むことを推奨しています。この方法はリーマンショックの時に取り入れたもので、メンバーのモチベーションを上げ、パフォーマンスも200%向上したということです。
- 月曜日:先週の学びと今週チャレンジすること、そのための体制について議論する。
- 火曜日~木曜日:各チームメンバーと会議をしてモチベーションの維持や課題解決のサポートをしたり、小さなグループ会議を主催
- 金曜日:今週の成果を共有したり振り返りを行う
この記事を読んで
在宅勤務が通常の勤務体系になってすでに1か月以上経ちます。会社にいる時よりもチームとのMeetingを頻繁にしたり、チャット機能を使って話しかけたりします。
たださらに長期化するのが見えている中、チームメンバーを気遣いするだけでなく「挑戦」を与えること、自分もすることでモチベーションをアップすることの重要性を感じました。
特に、在宅では今まで「あたりまえ」だと思っていたやり方に疑問を呈し、新しいやり方にできるいいチャンスだとも思います。「ピンチはチャンス」の精神でこの危機を軽やかに乗り越えたいですね!