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HBR(ハーバードビジネスレビュー)が選んだ優れたCEOトップ100は?

世界的にビジネス誌はランキング特集をすることがありますが、天下のビジネススクールの機関紙であるHBR(ハーバードビジネスレビュー)のランキングとなると気になりませんか?

 

私も定期購読者のメールで”The Best Performing CEOs in the World 2018 (2018年世界で最もパフォーマンスに優れたCEO”というタイトルの記事を見つけた時は、すぐにクリックをして内容を確かめました。

hbr.org

*定期購読者以外は3記事を超えてアクセスすると約9ドル/記事かかります。

まず、気になるのがどんな人が選ばれているかですよね。意外や意外、ベスト10を見てもAppleGoogleのような今世界を席捲している企業ではなく、業界もアパレルやメーカーなど20世紀的な?印象があります。国別にみても、アメリカはベスト10に2社のみ、あとはヨーロッパが7社で、かろうじて日本が1社(シスメックスの家次さん)がベスト10に入っています。

 

 Best 10 (カッコ名は会社名、:以下国)

  1. Pablo Isla (InditexZaraブランドのアパレルメーカー)):スペイン
  2. Jensen Huang(NVIDIA半導体メーカー)):アメリ
  3. Bernard Arnault(LVMH(ルイヴィトン、ヘネシーなどラグジュアリーブランドメーカー):フランス
  4. Francois Henri Pinault(Kering(グッチなど高級アパレルメーカー)):フランス
  5. Elmar Degenhart(Continental(タイヤ・自動車部品メーカー):ドイツ
  6. Marc Benioff(Salesfoce.com(IT関連)):アメリ
  7. Jacques Aschenbroich(Valeo(自動車部品メーカー)):フランス
  8. Johan Thijs(KBC(金融サービス)):ベルギー
  9. Hisashi Ietsugu(Sysmex(医療機器メーカー)):日本
  10. Martin Bouygues(Bouygues(インフラ整備)):フランス

 

では、どのように選んでいるのかということですがまず選定基準は以下の通りです。

  • 対象企業:

  2017年末のS&Pグローバル1200社(グローバル全体の70%の株式を占めている)

  • 対象者:

 着任して2年以上のCEO(逮捕及び告発された者除く)

 

すなわちある程度大規模でそのCEOのパフォーマンスが測れるよう着任年数を2年以上としているんですね。

着任要件については原文で以下のように書かれています。

 We identified each company's CEOs but, to ensure that we had a sufficient track record to evaluate, excluded people who had been in the job for less than two years.

 

では基準は何かというと

1.着任時から2018年4月30日までの財務指標daily financial data for each company starting with the CEO's first day on the job and ending April 30, 2018) からCEO在籍中の以下の3つの(metrics)を考慮

  • 上場株式市場特有の上昇要素を除いたTSR(株主総利回り)(the country adjusted total share holder return
  • その業界の上昇要素を除いたTSR(the industry-adjusted total share holder return)
  • 株式時価総額の変化(change in market capibalization

 

金融用語には詳しくないのでこれ以上触れませんが😅素人でも株主、株式を重視したパフォーマンスの測り方だというのはわかります。

 

2.非財務指標でのパフォーマンスを測るためにESG(環境/社会/ガバナンス)に関して以下の2つの調査機関のデータを利用

  •  Sustainalytics(主に投資家を対象にESGのデータを提供)
  •  CSR Hub Ratings(ESGを向上させたい企業と共同している)を利用2つのデータ

私見ではありますが、このランキングはできるだけ恣意性を取り除いた形で決めようとしていたことがよくわかります。個人的には、財務指標として株式に特化しすぎているのではないかとか、非財務指標としてESGだけでいいのかというところが気になりますが。。

 

ただし、HBRの記事では、短期的な株式指標に目が行きがちな中、このランキングは社長在任中という長期スパンで見ていること、そのため在任期間も16年と長く、昨年からのランキングの入れ替えは限られていると主張しています(実際トップ25のうち18人は昨年もリストアップされているということです)。

以下原文

In a business world that often seems obsessed with today’s stock price and this quarter’s numbers, our ranking takes the long view: It’s based primarily on financial returns over each CEO’s entire tenure—and because these CEOs have been successful, many have enjoyed a long run in the job.(中略)This focus on career numbers results in a ranking with limited annual churn. Seven of this year’s top 10, and 18 of the top 25, were ranked at those levels last year. 

 

ただし、残念なのは女性のCEOが少ないこと。トップ100のうち3人しかいませんでした😥。グローバルで見てもまだまだトップリーダーの世界は男社会なのですね。。