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データとハートを活かす人事を目指した成長奮闘記(?)です

できる人と思ってもらうためには自信が必要?:ハーバードビジネスレビューの記事から学ぶ

 

過去の調査結果では実際の能力よりも自信ありげに見せるかが重要だった?

 

”能ある鷹は爪を隠す”

 

日本では多くの人が信じていることわざではないでしょうか。

 

むしろ日本では逆に自信ありげに「自分はできる」と誇示する人はあまり尊敬されません。ビジネスを舞台にしたドラマを見ても、陰ひなたでコツコツ人知れず役に立つ仕事をしている人が好感度で取り上げられているように思います。

 

一方欧米では少なくとも自分の仕事・成果をきちんとアピールすることは非常に重要なことで仕事の一部といっていいでしょう。前に働いていたアメリカ企業では「Visibility(Visible(目立つよう)にすること」を上司や先輩からとやかく言われ、最初は違和感を感じたものです。

 

ハーバードビジネスレビュー(HBR)で「実際の仕事の実力」と、「仕事ができるように見せること」の関連性を調査した記事が掲載されていたので紹介したいと思います。

 

タイトルは”To Seem More Competent, Be More Confident. (仕事ができるように見えるためには自信をもちなさい)”です。

hbr.org

 *記事の購読は定期購読者以外は3本まで無料。その後は1記事当たり約9ドル課金されます。

 

 記事はこのような下りで始まります。

It’s a common feeling: while you are busy doing a good job, others seem to be advancing much faster in their careers. What’s going on?

The answer in many cases is your contributions are not being seen and recognized. One important reason this happens is that people are simply not great at assessing competence — a crucial trait for succeeding at work — and perceptions of competence are just as important for success as actual competence.

(日本語訳)「自分は仕事で頑張っているのにほかの人のほうが昇進が速いような気がする。何が起こっているのだろう?」このような感情が湧くことは珍しいことではありません。

 多くの場合その答えはあなたの仕事の成果が周囲に見えていない、評価されていないからです。その重要な理由は人々は能力(仕事の成功に必要な特徴)を評価するのが上手くはなく、能力があると見えることが実際の仕事の能力と同様に重要だからです。

 

どうでしょう?頑張っているビジネスマンとしては周りの評価能力がないために能力があるように見えるだけで差がつくのって複雑な思いですよね。

 

さらにショッキングなのが1982年に2人の心理学者が行った調査結果です。

 

 調査方法

  • 48人の調査対象者に60人の想像上の人物の成果について評価をしてもらう。(対象はテニスの試合から最終試験までいろいろ)
  • 48人には60人の人物が自分の成果(業績)についての予測を聞き、あとで実際(業績)の成果を知る。

 その結果ですが。。

  • 実際の成果の成果や成果の予測の正確性とは関係なく、楽観的(=よい)成果を出すと予測した人に対してのほうが控えめな成果を出すと予測したよりもずっと高い評価を付けた。

最近の調査結果

  その後、多くの類似調査が行われ、結果は上記と違ったり同じだったりまちまちだったそうです。が、最近調査結果では自信を示すことは比較しないかぎり(=他の人ができないといわない限り)プラスの影響を与えるという結果になったそうです。やっぱり「できる」と見せることが重要だということですね。

 

その理由として筆者はConfirmation Bias(確証バイアス)をあげています。つまり

  • 他人から自信をもって言われたことについては信じやすい。
  • 最初の印象にあったように情報を選別する傾向がある。

ということなのです。

 

これは、例えば自分が買い物をするときに店員さんと話をするときに置き換えると納得いくのではないでしょうか?自分が悩んでいるとき、自信をもって明確に説明できる人のほうが、何を聞いてもよくわからない答えが返ってきている人よりも「できるな~」と思いますよね。それは会社の中でも同じだということです。

 

できると思ってもらうためにはまず自分を知ること!

ちなみに筆者はできないのに、わざとできるように見せることを推奨していません。一方で自分ができることをmodest(謙遜する)ことはこのような結果から得にははならないということです。

 

実際、自信をもって成果を見せるためには、「自分はできる人間だ」ということを自分で納得する必要があります。そのためには以下の質問に自分が答えられかを自問し、周りに説得できるようにしないといけないということです。

 

 What am I good at? What was my greatest success so far? Why should others be led by me? What do I know that they don’t? (自分は何が得意だろうか?今まででの一番大きな成功は?ほかの人は何故私についてくるべきなのだろうか?私が知っていて周りは知らないことは何だろう?)

 

いかがでしょうか?一つ確実なことは自分自身のことを分かってもらうために何も努力をせずに「自分は評価をされていない」と不平を抱くのはプロフェッショナルではないというです。冷静に自分を客観視し、自分の評価と周りの評価がギャップがある場合にはどこなのか、それをどうしたらうまく伝わるかを考える必要はあるのではないでしょうか?