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データとハートを活かす人事を目指した成長奮闘記(?)です

「超訳 易経」から生き方のヒントを学ぶ-万物の変化と自然の原理にしたがうことの大切さ-

 

 

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「易」とは変化すること

コロナ禍で良かったなと思う一つのことがリモートで様々な勉強会に参加できたこと。

 

コロナ前は、ネットで探したセミナーを見て「参加したいな」と思ってもほとんどが東京であきらめていました。

 

昨年末からふとした縁で参加している勉強会で「易経」についての紹介があり、早速取り寄せて読んでみることに。

 

いろいろな本が出ていますが、その会でおすすめされた竹村亜希子さんの超訳 易経陽」と「超訳 易経 陰」を読みました。

 

超訳 易経 陽―乾為天

超訳 易経 陽―乾為天

  • 作者:竹村 亞希子
  • 発売日: 2020/02/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

超訳 易経 陰―坤為地ほか

超訳 易経 陰―坤為地ほか

  • 作者:竹村 亞希子
  • 発売日: 2020/09/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 易経は占いの書として発祥し、一説によると約5000年前に記されたといわれているそうです。

 

「易(えき)」というと私は占いよりも「た易い(たやすい)」といったイメージの方が強いのですが、「変化」を意味するそうです。

 

ちまに「易」という字は、蜥蜴(トカゲ)-光の変化によって日に12回体の色を変えるところからきているということでした。面白いですね。

 

「易の三義」・陰陽

私がこの本を読んでみようと思ったのは、勉強会で紹介された「易の三義」、すなわち易という字の3つの意味でした。それは「変易(へんえき)」「不易(ふえき)」「易簡(簡易)(いかん・かんえき)」の3つ以下のような意味があるということです。

 

1.変易:「変化」という意味でこの世のすべてのものごと、人も物も自然もひと時足りも変化しないものはなく、常に変化をし続けているということ。

 

2.不易:「不変」という意味。その変化には必ず、春夏秋冬の季節の巡り、朝昼晩という1日の巡りなど一定不変の「変わらない」法則性があるということ。

 

3.易簡(簡易):「易しい、簡単」という意味。「変易」「不易」があらわす変化と不変の法則に基づいてものごとは変化していることを私たち人間が理解できたなら、何事もわかりやすくなり、悩み事や問題もスムーズになり、あらゆる意味で行きやすくなるということ。

 

この「易の三義」を聞いて、「まさにそうだ」と思っていたことを端的に表してくれていたのですごく衝撃を受けました。

 

5000年も前から人はこのような原則を知っていたのですね!でもどれだけの人がこれを実践できているかは(自分も含め)「?」です。

 

むしろ今コロナでのさまざまな意見の分断を見るといかに実践するのが難しいかということでしょう。

 

また、易経の原理原則にあるのが「陰と陽」だということなのです。「陰と陽」とは互いに対立する属性を持った二つの気のことで、あらゆる事象はすべて陰と陽で成り立っているということなんですね。

 

一般的に「陽=プラス」「陰=マイナス」といったイメージがありますが、両方重要だという考えに基づいています。

 

例えば陰陽を説明する代表例が「地(=陰)」と「天(=陽)」。天の日差しを浴びて大地の万物は育ちますが、かといって万物は住む大地がなければ育つことはできません。

 

つい私たちは「どちらかが正しい」「どちらかが間違っている」とか、「どちらかがいい」「どちらかが悪い」と二元論で考えてしまいますが、両方大事だと考えられる視点を持つと違った視点から物事が考えらえる感じがします。

 

「龍」の話から成長の過程での接し方を学ぶ

さて、「易経」には64の物語があり、「超訳 易経 陽-乾為天」ではその中の一つ「龍」のお話、もう一つの「陰」の本では他の物語を紹介しています。

 

龍のお話はリーダーがたどっていく道筋のお話といわれ、6つの龍の段階を示しています。内容を見るとリーダーだけでなく人生全体、何かを学ぶときの過程でも当てはまるのではないかと思います。

  • 潜龍:地中深くの暗い淵に潜み隠れている龍。まだ世の中に認められるような力もなく、地に潜んで志を培うとき • 潜龍:地中深くの暗い淵に潜み隠れている龍。まだ世の中に認められるような力もなく、地に潜んで志を培うとき。
  •  見龍:明るい地上に現れ、世の中が見えるようになる。修養の始めとして、師を見習って物事の基本を学ぶ。
  • 乾惕(けんてき):毎日同じことを繰り返して修養に励む。わざと応用を身に着け、日進月歩の成長をするとき。
  •  躍龍:修養を極め、リーダーになる一歩手前の段階。独自性をもって、今まさに大空へ登ろうと躍り上がる。
  •  飛龍:天を翔け、雲を呼び、雨を降らす。リーダーとしての能力を発揮し、志を達成。
  •  亢龍(こうりゅう):高ぶる龍という意味。高みに登りすぎた龍は、力が衰えて下り龍になる。

最後が「亢龍(こうりゅう)(力の衰えた龍)」というのが事実をグサッと指してくれる感じがします。

 

また、それぞれの段階でどのようにふるまうかのアドバイスもあります。

例えば絶好調である「飛龍」の時には、「周りの人から学ぶことができれば長くとどまることが可能」。「飛龍から亢龍に没落する」は人の意見に耳を傾けること、クレームに対して改めること、反省すること、労力を惜しむことをけちることから始まる。。頭の痛い話ですよね。

 

このような古典で現在に通じる原理原則を教えられると、人間は理解よりも実行の方が難しいことを改めて感じさせられます

 

ちなみに陰にあったいくつか物語は難しくて1回読んだだけでは理解できなかったので、また時間をおいてじっくり読んでみたいと思っています。