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労働市場の変化への対応に日本人だけがあまり前向きでない??:ハーバードビジネスレビューの記事から学ぶ

 

労働市場の変化は思ったより多様?

 

ビジネスの変化が著しく速くなっている中、私を含めた労働者もその変化に素早く対応することが求められています。

 

一般的には、

  • 企業のリーダーたちは必要な変化を知っている。
  • でも一般社員は、その変化に対応する気がない、対応できない。

と思っています。

 

今回紹介するハーバードビジネスレビュー(HBR)の記事は世界11カ国の一般社員・8カ国のビジネスリーダーに調査を行ったところ違ったという結果を紹介しています。

タイトルは”Your Workforce Is More Adaptable Than You Think (社員は思ったよりも適応力がある” です。

hbr.org

*記事の購読は定期購読者以外は3本まで無料。その後は1記事当たり約9ドル課金されます。

 

まず、労働市場の変化にはどういうものがあるかということですが、決して技術だけではないということです。

 

この記事では今後起こりうる労働市場の変化を包括的に紹介していて勉強になったので、まずそこから紹介したいと思います。

基本的に6つに分けています

  • 技術の変化の加速(Accelerating Technological Changes):(例)今まで人がやっている仕事を行ったり、補足するロボットの出現/ビジネスモデルを変える突然の技術変化/無料サービスを可能にするテクノロジーをベースとしたの進展
  • スキル取得の要請の増加(Growing Demand For Skills):(例)仕事で必要な技術の知識の増大(AIなどはその典型ですかね)/急速に拡大するスキルに対する労働力の不足
  • 社員の期待値の変化(Changing Employee Expectations)(例)柔軟に働きたい社員の増加/働く意義の変化(裁量権を持って働きたいなど)
  • 労働人口の変化(Shifting Labor Demographics):(例)高齢者、女性、移民などの労働者への対応
  • 働き方の変化(Transforming Work Models):(例)リモートワークの増加/日雇い/期間労働者の増加/フリーランス(現代風に言うとノマド?)の増加/企業間のパートナーシップの増加
  • ビジネス環境の変化(Evolving Business Environment):(例)技術に対する新たな規制(ロボットに税をかける?)/賃金規制に対する規制の変更(ベーシックインカム最低賃金の増加など)/国家おまたがる物・サービス・資本に対する規制の変更/政情不安

 

調査結果

では実際の調査結果はどうだったのでしょうか?

  • 一般社員は将来の労働市場に変化を及ぼすものをリーダーよりもより明確に理解している:この調査では上記に挙げた労働市場の変化についての影響度を一つずつ100点満点で評価をしてもらっています。結果一般社員は一番影響力の大きいものと小さいものの差が15ポイントもあったにもかかわらず、リーダーは9ポイントしか差がありませんでした。特にフリーランスの増加における影響を一般社員は明確にとらえているのに対し、リーダーは技術の変化による労働市場の変化にフォーカスしがちだったということです。
  • 一般社員は将来の変化に前向きで適用しようとしている:実は一般社員は自動化やAIは自分たちにポジティブに働くと考えています。この調査での一般社員はその国の平均所得収入よりも低く、学歴も中等教育後2年の教育(日本で言うと短大でしょうか)まで受けた人が一番高い人たちを対象にしています。なので、3Kの仕事についている人も多く、この機会により意味のある、収入の高い仕事に就きたいと思っているようです。
  • 一般社員は将来の変化に対応できるようなサポートを期待している。:これも個人的には驚きました。どちらかというと一般社員は今の仕事を守りたい、新しいことを学びたくないというレッテルを張られていますが、冷静に将来に備えた知識や時間、お金がないということを自覚しています。

 

この調査結果をを基に、筆者は社員が将来の変化に対応できるようサポートすることで、企業にとっても大きなメリットがあると結論付けています。

 

なぜか日本人だけが・・

しかし、この結果の例外だったのがなぜか日本人です。調査は一般社員に対して各国1,000人、リーダーに対して同100人なのでそれなりの数なのですが。。

 

具体的に何が違っていたのかというと以下の2点です

  • 他の国ではリーダーが思うよりも社員のほうが将来の変化に備えたいと思っているのに、日本ではほぼ同じ。

 

  • ほかの国では一般社員の大多数が急速に変化する労働市場に対して備えるのは企業や政府ではなく自分たちだと答えたのに対し、日本とフランスだけが異なっていた。

 

この調査の詳細は見ることができなかったので何とも言えませんし、1点目についてはリーダーと社員の期待値が同じということは決して悪いことではないと思います。ただ、2点目については「自分のキャリアは自分で築く」というメンタリティーがない日本の状況を表しているのかもしれません。

 

この記事で頻繁に使われた言葉が”Disruptive(破壊的な)”という言葉です。あまりにも変化のスピードや度合いが大きすぎることを表現するという意味で、最近よく使われますが、今後起こりうる労働市場の変化は今までの価値観を覆すほど大きいものかもしれません。

 

そうした中、前向きかつ現実的に将来をとらえ自分でアクションをしていく必要が求められると思うのですが。。。

 

この調査結果が決して日本人の大半でないことを祈りたいと思います!