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有休を取らなくてもリフレッシュする方法:ハーバードビジネスレビューの記事から学ぶ

 

 

祝日は多いけど有休取得は少ない日本人

 

いよいよゴールデンウィークが始まりました。

 

今年は天皇の退位により10連休という方も多いのではないでしょうか?私もその1人で前半は家の片づけや周りでのんびり、後半は旅行を計画しています。

 

今年のゴールデンウィークは特別ですが、日本は祝日の数が他の国に比べて多いのです。プレジデントの2017年の記事によると、日本の祝日(17日)は、フランス(9日)に比べて約2倍。私も経験知として、海外の同僚と働いていた時「日本って意外と祝日は多いんだな~」と思いました。(ちなみに祝日には年末年始に付与される休みが入っていないのでさらに多いですよね)

 

一方、自分で取得する年次有給休暇(有休)の取得率は高くありません。労働政策研究・研修機構のホームページでは有給取得率は50%程度でこの30年間、取得日数も10日に満たない数字になっています。


こうした状況を変えたいということで今年4月から始まったのが「年次有給取得の義務化」です。

 

この義務化では年10日以上有休を付与される場合には、会社は年に5日有休を取得させることが義務となりました。(詳しいことは厚生労働省のホームページよりご覧ください)

 

前置きが長くなりましたが、今日ご紹介するハーバードビジネスレビュー(HBR)の記事は有休を取らなくても普通の週末をバケーションのようにとらえるだけで幸福度が上がりますよというものです。

 

タイトルは”Treat Your Weekend Like a Vaction(週末をバケーションのようにとらえましょう)”です。有休をとることができないとき、気持ちの持ち方次第で幸福度をあげることができるヒントを提供してくれています。

hbr.org

 

アメリカ人もあまり有休を取らない?

 この調査の背景には「休暇を優先事項としてとらえている人は幸福度が高い」けれども、アメリカ人は有休のとり方が上手くない」というところにあります。

 

前者についてはギャロップという調査会社が2014-2016年に行った調査を分析したところ、休暇を優先事項としてとらえている人は"exhibit more positive emotion, less negative emotion, and are more satisfied in life  (ポジティブな感情が多くネガティブな感情が少ない、そして人生により満足している)”状況だというのです。

 

後者は意外に思われるかもしれませんが、特にヨーロッパ人と比べた時、アメリカ人は長時間働き、有休をあまりとっていません。実際、アメリカは法律上有休の付与が義務付けられていない数少ない先進国で4分の1の人は有休が付与されていません。ただ有休があっても以上の人は有休を消化せずにいるということです。

 

じゃあ、有休を取らなくても通常”Day off(休み)”である土日の過ごし方を変えたら、精神的な変化があるのでしょうか?

 

筆者が行った2回にわたっての調査は”Yes”です。ただ、「週末をバケーションのように過ごす」だけで翌週からの幸福度が高まるというのです。

 

「今、この時を大事にする」ことがキー

 調査方法はいたって単純なものです。

  • 調査グループを半々に分ける。
  • 半分の人には週末を「バケーション」のように過ごしてくださいとお願いし、残りの半分の人には普通に週末を過ごしてもらう。
  • 週末後の月曜日、仕事に戻って自分の幸福度について答えてもらう。(2回目の調査では週末の幸福度について尋ねる)

 

調査は2017年5月に400人、2018年1月に500人のアメリカ人を対象に行われましたが、どちらの結果においてもバケーションのように過ごす人のほうが普通の週末を過ごした人よりも幸福度が高かったというのです。2回目の調査では週末の幸福度も高かったというのです。

 

では、バケーションのように過ごすことにより何が変わるのでしょうか?ちなみにこの調査では週末に費やすお金についてはコントロールしているため使ったお金の多寡が影響をしているわけではありません。

 

実は、何を行うかが重要なのではなく、バケーションのように過ごすという気持ちの切り替えにより、その時その時を大切に過ごそうという心がけが幸福度を上げるのだというのです

以下原文

Treating the time like a vacation seems to have shifted people’s mindset. Specifically, the vacationers were more mindful of and attentive to the present moment throughout their weekend’s activities.

 

 例えば記事の中で2人の女性の朝の過ごし方が書かれています。

 

一方の女性は、普通の週末を過ごすよう言われたグループで大好きなビスケットとグレービーソースを朝食に作りました。一方のバケーションのように過ごすように言われたグループの女性もパンケーキを家族のために作ったのですが、それは自分がバケーションの時にやりたかったことだったのです。そのため、パンケーキを作るという行為・その時を楽しみハッピーな気分でいることができたというのです。

 

他の調査も引用して幸福でいるためには以下のようなことが必要だということです。

  • Slowing down and paying more attention to your surroundings, the activity at hand, and the people who are involved. (行動スピードを遅くして、周りの環境や行動、人により注意を払う)
  • Not ruminating on the past or getting distracted by anxieties or fantasies around the future. (過去を振り返ったり将来についての不安や妄想にふけらない)

 

いかがでしょうか?このことは週末をバケーションと取り扱うかどうかより、「今その時を大事にする」という心構えを持ち続けられるかということなのかもしれませんね。(ただし筆者は毎週末をバケーションのように取り扱うことはインパクトが薄れるので、本当に必要な時にしてくださいということでした😉)

 

これを読んでルーチン的に過ごしがちな週末を、少し場所や雰囲気を変えて過ごすことも重要かなと思いました。