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メールをうまく管理して労働時間を減らそう:ハーバード・ビジネス・レビューの記事から学ぶ

 

アメリカ人は労働時間の28%をメールに使っている

 

 この4月から働き方改革関連法案が施行され、企業は従業員の労働時間に対する管理を一段と厳しく行う必要が出てきました。

headlines.yahoo.co.jp

 外資系企業の人事の端くれとして働いているものからすると、現在のIT環境の中で秘書やルーチン的な仕事についている人を除き、事務的な仕事について時間で給与を支払うというのがナンセンスだと思います。仕事は成果ベースで払われるべきだと思いますし、どのように仕事をするかにより同じ成果でも労働時間が大きく変わってくるからです。

 

 そんなことを考えていたら、ハーバード・ビジネス・レビュー(HBR)の記事で" How to Spend Way Less TIme on Email Every Day (毎日メールに費やす時間を劇的に減らす方法” という記事が掲載されていましたので紹介したいと思います。

hbr.org

*記事の購読は定期購読者以外は3本まで無料。その後は1記事当たり約9ドル課金されます。


 筆者は働き方の効率化についてのコンサルティングを行っている方です。マッキンゼー等の調査によるとアメリカ人は、平均毎日2.6時間(28%の労働時間)、120のメールを受け取っているということですが、 メールの取り扱いの“無駄”を省くことにより、約半分の1時間21分減らせるというのです。

 その無駄は5つに分かれており、それぞれの対処法が書かれているので見ていきましょう。

 (あらかじめお断り:筆者は数学的に減らせる時間を計算しようとしているようですが、あまり厳格ではないので「確かにこんな無駄もあるな~」くらいに思っておいてください。重要なのは厳格な時間削減量でなく無駄な行動を減らすことだと思います。またすべてのデータはアメリカ人を対象にしたものです)。

メールに使っている時間を半分に減らす方法は? 

  1. Over-checking email wastes 21 minutes per day. (メールのチェックしすぎで21分ロスしている)アメリカ人は1日に平均15回(37分毎)メールをチェックしています。メールのチェックを頻繁にするということは、他の仕事を一度止めておこなうということなので、どうしても数秒のロスが出てきます。また、メールを受け取るごとに通知がパソコンにポップアップする初期設定のままの人も多いのではないでしょうか?か?                        このような無駄を減らすためには”Turn off notifications and instead check your email hourly(通知機能をオフにしてメールを1時間ごと決まった時間に見る)”のが効果的とのことです。1時間おきだと顧客や同僚から「返事が遅い」と文句を言われるのではないかとと心配の方。あくまでもアメリカですが、1時間以内のメールの返信を期待しているのは11%の顧客、同僚では8%しかいないということです。対して40%の人が「メールへの返信は1時間以内にすることが期待されている」と思っているので大きなギャップですよね             
  2. Full inboxes waste 27 minutes per day(受信トレイにメールを置きっぱなしにしていて27分ロスしている):アメリカ人は平均で200のメールが受信トレイにあり、120通のメールを毎日受け取っていますが返信するのはその25%に過ぎないということなのです。ただし、受信トレイにあるとどうしてもタイトルが目に入ったり、いくつかを再読するので、1日15回メールをチェックする度に時間を無駄にしているということですね。                       これについては”Move every email out of your inbox the first time you read it(最初に読んだ瞬間に受信トレイから取り除く) ということでこの問題が解決されます。読んだときにアクションをするためのフォルダーに移管するか、削除するかどちらかですね。
  3. Using folders to organize and find emails wastes 14 minutes per day. (フォルダーの作成、メールの検索で14分ロスしている)メールを分類するためにフォルダーを作る人は多いと思います。実際アメリカ人の平均メールフォルダー数は37で、かつ5日に1つのフォルダーを作っているとのことです。ただし、フォルダーで分類してそこからメールを探すよりも検索機能(キーワードやメールアドレス)を使ってメールを探し出すほうがずっと早いということです。ですので、”Use the search functionality with search operators to re-find emails (メールの再検索には検索機能を使う)”ことをお勧めしています。
  4. Archiving emails into many folders using a mouse wastes 11 minutes per day. (多くのフォルダーにメールを保存することで11分ロスしている)これも3に関連する部分ですね。この記事で驚いたのは、フォルダーへの分類作業に実はメールの労働時間の10%も使っているそうです。ちりも積もれば。。で案外馬鹿にできない時間です。対処法は”Set up just two email folders and use shortcuts to archive emails there (メールフォルダーを2つのみ設定し、しかもショートカットですぐに移動できるようにする)” です。2つのフォルダーとは「あとで作業が必要なメールを保存する”Archive"フォルダ」、「あとで読むかもしれないメールを保存する”Reading"フォルダ」です。それ以外は即座に捨てればいいという考えですね。
  5. Reading and processing irrelevant emails costs us 8 minutes per day(仕事に関係のないメールを読んだり対処するのに8分ロスしている: この記事では仕事のメールの6割が重要でなく一括して処理できるものだという調査結果を紹介していますが、あまり重要でないニュースレターの20%を読み、そのメールの処理に時間を費やしています(1通のメールを削除するのにも3.2秒かかるとか!)。ですので、”Avoid processing irrelevant or less important emails individually. (無関係もしくは重要でないメールを1通1通処理しない)” ようにすることで、時間が1日に8分節約できるとのことです。

この記事を読んで

 前職でメールが毎日200通近く来る日々を過ごしていたので、メールをいかに効率的に扱うかは重要な課題でした。ですので、ここに掲げている1~4については少しスタイルが異なるものの、やっています(例えば私の場合はその日のうちにアクションが必要なものは受信トレイに残しっぱなしにします(それ以外は実施する日をフラグにして受信フォルダから取り除きます)。何度か見てしまうということは出てきますが、メールを見る回数を決めておけばその回数は少なくなりますし、なにより「今日これをやる」というプレッシャーを自分にかけられるからです。

 

 こういう記事を参考にしながら、自分なりのスタイルを見つけて労働時間をできるだけ減らしていけるようにしたいですね!