日々学び、感謝し、成長する

データとハートを活かす人事を目指した成長奮闘記(?)です

日々の何気ない会話が会社にもたらす力:ハーバード・ビジネス・レビューの記事から学ぶ

 

アメリカ人も会社での帰属意識が欲しい?

 アメリカ人は家庭を重視するので、会社との人間関係に対してはドライーそんなイメージを持っていたりしませんか?

 

 実は、案外そうではありません。今回紹介する記事の中での調査では、会社に帰属意識を感じる人が34%:家族(62%)と比べれば低いのですが、コミュニティー(19%)や教会(16%)と比べるとかなり高いのです。

 一方、40%の人が職場で孤独を感じているという事実もあります。

 

 会社への帰属意識を社員が持つことは会社にとっても大きな損失です。なぜかというと帰属意識がある社員は、そうでない社員に比べ生産性ややる気が高く、最大限の力を発揮する可能性も3.5倍高いというのです

 

 では、会社の帰属意識を高めるために何をする必要があるのか・・それは日常の同僚とのやり取りだという記事がハーバードビジネスレビュー(HBR)に紹介されていましたので、ご紹介したいと思います。

 タイトルはずばり”The Surprising Power of Simply Asking Coworkers How They're Doing (同僚に調子を聞くことの驚くべき力)”です。

 

hbr.org

*記事の購読は定期購読者以外は3本まで無料。その後は1記事当たり約9ドル課金されます。

帰属意識を高めるためにできること

 そのためにできることとして”Check-in(チェックイン)”という方法をお勧めしています。チェックインというと宿泊するホテルのチェックインしか思い浮かびませんが😅a way to build relationships regularly, as well as to provide support after significant news or events. (日々関係性を築き、何か重要なニュースや出来事の際にはサポートを行う方法)”としてこのチェックインという方法を使うそうです。チェックインという言葉よりも、「会社の中の日々の同僚とのやり取りの中で帰属意識をどう作るか」という方法ですね。

 

 では具体的にはどうすれば帰属意識がつくれるのか、ということで5つのことをあげています。

・Seize the small opportunities to connect(小さなつながる機会を大切にする):簡単に言うと挨拶をしたりとか、立ち話する際にその人に対して注意を払うとかそういうことが重要だというのです。単に”How are you doing?How can I support you?(調子はどう?何か手伝えることある?)”というだけでも、言われた相手は気遣ってくれているというポジティブな経験を持ちます。


Check bias at the door(初めに相手のことをきちんと聞いているかを確かめる):100%耳を傾けて聞くというのは案外難しく、自分の観点からつい口をはさんだり議論になったりするものです。そうではなく、相手の言うことを心から聞き、もし自分がわからないことがあればさらにつっこんで “Tell me more about it.(もっとそれについて聞かせてくれる?)”といえば、自分に興味を持ってくれてるんだなという気持ちになります。


Assume positive intent(相手はポジティブな意図を持っていると考える):難しい状況の中では、相手の言っていることを疑りたくなったり斜めに見てしまうことはえてしてあります。ただそうではなく、相手が自分にとって意味のある事を言ってくれようとしてくれると思うだけで聞き方もずいぶん違ってくるでしょう。言葉の理解は相手が何を言うかよりも自分がどう受け止めるかのほうが大きいのです。コントロールできるのが自分の気持ちだけだと考え、であればポジティブにとらえるほうが相手ともいい関係が築けるはずです。


・It’s OK to be vulnerable(弱いところを見せてもOK):筆者は特に若い人・自分より職務レベル上低い立場にいる人にフィードバックを求めることを推奨しています。相手のフィードバックを受けて行動することを約束したり、自分が迷っていることを伝えることは、マイナスではなく人間らしさが見えて逆にプラスになるはずです。


・Be consistent and accountable(行動を一貫させる、責任を取る):会社では特にビジネスの状況によっていろいろなことが大きく異なります。難しいときでも常に同僚を尊重する態度をとり続けることにより、周りも変わってくるものです。

 

この記事を読んで

  記事に書かれていることは、当たり前のことばかりですが、常日頃実行できているかというと反省すべきところが多いなと思います。当たり前ですが会社も人の集まりなので、その組織が居心地がよければ、その会社のために頑張ろうという気になりますよね。周りがそうだからではなく、自分から心地よい環境を作るために、まずは自分の周りの人に話しかける、気遣う。。そういうことが必要なのかなと思いました。

 

記事から学ぶ役に立つビジネス英語

sense of belonging(帰属意識:この記事のキーワードですね。会社に対して使う場合、日本語だと「愛社精神」のほうが適切かもしれません(古い?😅)

be present(その場(心身ともに)にいる):presentは現在という意味がありますが、そこから今その瞬間に心身ともにあるというような意味でよく使われます。例えば話を聞いてても心底にあらずの場合にはこの言葉は使いません。最近はやりの瞑想などの考え方でよく出てきますね。

・make a difference (違いを生み出す):そのままなのですが、よくビジネスなどではその人の功績をほめたたえる時などに”You made a difference!”と使ったりします。ちなみにこの記事では最後の締めくくりでこのように使われています。”By starting with simple things like a check-in, we all have the power to make a difference in the lives of others and even on the bottom line.(チェックインのようなシンプルなことから始めることで、ほかの人の生活やビジネスに対しても違いを生み出すことができる力を持っているのです)”