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データとハートを活かす人事を目指した成長奮闘記(?)です

”不安"にさいなまれないようにするには?:ハーバードビジネスレビューの記事から学ぶ

 

アメリカ人の2割が不安障害を抱えている?

あなたはどちらかというと心配症の方でしょうか?

 

私はどちらかというとそうだと思います。

 

仕事の中で人前や経営者層にプレゼンをすることがありますが、そういう時すごく不安になりますし、人事という仕事上間違ったデータ・情報を送れないので何度も確認をしたりします。

 

適度に心配をすることは悪いことではないと思っています。プレゼンへの不安は事前準備を入念にするというモチベーションにもなりますし、間違ったデータを送れないという気持ちは再度内容を確認するという正しいアクションにつながります。

 

ただ、心配性が行き過ぎて薬を飲んでいないと不安にさいなまれるというような状況になるといろいろな支障をきたします。アメリカでは3割の人が生涯のうち何らかの不安障害にかかり、2割近くの人が過去1年に発症したというデータがあります(アメリカの国立精神衛生研究所のホームページより)。日本でのデータ(厚生労働ホームページより)では障害での有病率は9.5%、過去1年では5.5%なのでアメリカの方がデータ的に見ると(生活に支障をきたす)不安を抱えている人が多いということになります。

 

不安障害までいかなくとも日常の不安に対処することができるのか、コーチングの経験からまとめた記事がハーバードビジネスレビュー(HBR)に掲載されていましたので紹介をしたいと思います。

 

タイトルは”How Anxiety Traps Us, and How We Can Break Free(不安で陥る罠とその対処方法)”です。

hbr.org

 *記事の購読は定期購読者以外は3本まで無料。その後は1記事当たり約9ドル課金されます。

不安を冷静に見つめることが不安を解消することにつながる

 不安にうまく対応するには、まず不安を感じた時に何が起こるかをきちんと把握することが必要です。

 

専門家によると、私たちは不安なとき、間違ったもしくは狭い思考に陥る傾向があるということです。そのため、負のスパイラルに陥り、絶望感に自分を追い込んでいくというのですね。

 

では、間違ったもしくは狭い思考というのはどういうものなのでしょうか。筆者は以下のようなものをあげています。

  • Catastrophizing(最悪の状況を思いめぐらす)
  • Mind Reading(人の心を深読みする)
  • Fortune Telling(何の根拠もなく将来はこうだと決めつける)
  • Black-and-white thinking(白黒、二者択一で判断)
  • Overgeneralizing(過度に一般化・不偏化して考える(特に悪い事実を他のパターンにも当てはまると考える))

こういう状況を感じた時の対処法として筆者は5つ挙げています。

  • Pause the pattern(パターンを認識する):不安にさいなまれると多くの場合、胃がむかつく、手に汗を握るなど体に何らかの変調が出てきます。こういう時には扁桃体が体の危険を感じている条項にあるので、この状態を意図的に変える必要があります。少し難しい数学など脳の思考パターンを変える作業を行うといいでしょう。

 

  • Name the trap(その罠に名前を付ける):名前を付けることであいまいな不安を具体的に感じ取ることができ対応することができます。

 

  • Separate FUD from fact(FUD(Fear(恐れ)、Uncerttainties(不確実性)、Doubts(疑い))と事実を分ける):2列のリストを作り、FUDにあたるものを1列目に、事実を2列目に書きます。この2つを比べることにより不安をより客観的に見ることができます。もし、客観的な事実を見つけることができない場合は自分が信頼できる友人や知人に頼んで事実をリストアップしましょう。

 

  • Tell more stories(自分に語り掛ける物語を増やす):不安に陥ると大体ネガティブな結論や想定1つだけを反芻する傾向があります。そうではなく3つの違う可能性を見出し自分に語り掛けることで、不安を和らげることができる

 

  • Walk the talk(他者に言っていることを実行する)もし自分の置かれている状況について友人や知人がアドバイスを求めたらどのように言うかを考えてみましょう。不思議なもので他人に対してはより冷静なアドバイスを行うことができるので、それを自分自身に応用します。

 

この記事を読んで

今コロナウィルス騒動により、世界中が「不安」にさいなまれている状況にあります。そうした中、ここに書いているいくつかの方法は私たちを冷静にしてくれるのに役に立つのではないでしょうか?

 

もちろん、目に見えないものと戦っているためCatastrophizing(最悪の状況を思いめぐらす)”ということは重要だとは思います。特に政府レベルでは蔓延を防ぐために最悪の状況を想定した施策を取らざるを得ないでしょう。

 

ただ、多くの情報がFortune Telling(何の根拠もなく将来はこうだと決めつける)”、

”Black-and-white thinking(白黒、二者択一で判断)”、Overgeneralizing(過度に一般化・不偏化して考える(特に悪い事実を他のパターンにも当てはまると考える))”になっていないでしょうか?

 

こういう時こそSeparate FUD from fact(FUD(Fear(恐れ)、Uncerttainties(不確実性)、Doubts(疑い))と事実を分ける)”、”Tell more stories(自分に語り掛ける物語を増やす)”、”Walk the talk(他者に言っていることを実行する)”といった行動が求められるような気がします。

 

人が簡単に不安にさいなまれるという人間の弱い部分を今回のウィルス騒動は試されているような気がしますね。

 

冷静に対応しましょう!