Learn Better-頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ
この本を読むきっかけ
皆さんは、新しいことを学ぶことは好きですか?
私は好きです。
新しいことを学ぶと自分の世界が広がり成長したような気がします。何でも興味があるというわけではないですが、比較的幅広い分野に興味があり、なんでも好奇心をもって知りたいと思います。
一方、飽き性でもあるので、情報を得ることで満足をしてしまい、またその情報も右から左に流れていきます。特にこの20年ネットで、情報を得ることがあまりにも容易になってしまったため、「情報が自分の体を素通りする」というだけに時間を使っているような気もします。
「人生100年時代、どう学んでいったら自分の身になる知識を身に着けることができるか?」
「何を学べばいいのか?」
その疑問の手がかりとして読んだのが、「Learn Better」です。レビューの評価もよかったので、Kindleで「ぽち」っとし、ipadで読み始めました。
Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ
- 作者: アーリック・ボーザー,月谷真紀
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2018/07/19
- メディア: 単行本
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本の概要
この本は、米国先端政策研究所(Center for American Progress)シニアフェローで学びについての研究と発信を行っている著者が、専門知識を身に着けるために必要な6つの段階について、なぜそれが必要か、それぞれのステップを効果的に行うためにはどうすればいいかを脳科学や実験結果検証等も踏まえて説明しています。
その6つとは
- 価値を見出す:人間の好奇心は長続きしない!学習意欲を持続させるためには、「なぜそれを学ぶのか」を明らかにすることが重要。
- 目標を決める:学習とは知識をきちんと管理することにほかならない。 そのためには学習する際に目標を設定し計画を立てることが重要だが、学びが続くような計画を立てなければならない(例:優しい題材から始める。小テストで知識を試す)
- 能力を伸ばす:スキルを磨き、パフォーマンスを向上させるためには、評価が必要。目的を絞り込んだフィードバックを他者からもらうことで効果的に学ぶことができる。また「自分が成長できると信じる」メンタル管理も必要。
- 発展させる:知識を応用する段階にあたっては、知識を吸収するのではなく、説明を求める質問をする、他人に教えることなどで知識領域を広げることに役に立つ。
- 関係づける:すべてがどうかみ合うかがわかるフェーズ。複数の分野を混ぜ合わせたり、様々な例を織り交ぜることにより、関係性への理解が深まる。常に自分に「もし~だったら」と問いかけ、試行錯誤を続ける。
- 再考する:学習には間違いや過信がつきものなので、自分の理解を振り返って学習したことから学ぶ必要がある。
読後感想/学んだこと
読み終えるまで3週間ほどかかりましたが、途中の実験内容も面白かったですし、学びの本らしく、途中で効果的な学習方法についてのテストなどがあり、飽きずに読むことができました。
この本で学んだことを大きく3つ挙げるとしたら次のようなことでしょうか?
1.学習=PDCAである
上の、6つのプロセスを見てると、細かく分かれているとはいえPDCAに他ならないのです。著者も「学習は知識の管理だ」と言っているように、ただ単に本に向かったり講義を聞くだけでなく、なぜ学びたいのか、どこまで学びたいのかを明らかにしたうえで、ステップを踏んで知識を深めていくことが必要なんですね。また目的をもつだけではなく、きちんと振り返り、今自分がどこにいるか、理解をしているかを確認しないといけないですね。
2.問いかけは有力な学びのツール
本書では問いかけることの必要性を何か所かで述べています。学びながら「なぜ?」「他とどうつながっているか」を考えると学ぶスピードが速くなるし、また自分に問いかける人はそうでない人よりも問題解決力が高いそうです。
これは仕事上の経験でも感じており、理解ができていない人はきちんと説明ができていない、深く物事を考えない人が多いような気がします。この話を聞いて自分の部下に対してもできるだけ自ら問いかけるように持っていきたいなと思いました。
3.メンタルをコントロールする
学習においてもメンタルのコントロールはすごく重要だということです。自己効力感(=特定のタスクをやり遂げられる/やろうとすることでよい成果を上げらえっる)を持っているかどうかで、学習効果は変わってくるそうですし、人は自分に貼ったラベルにふさわしい行動をとるため、自分が自分をどう見るかによって変わってくるんですね。
年齢や自分の生れついた能力に言い訳せず、できると信じて日々成長したいものです。