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データとハートを活かす人事を目指した成長奮闘記(?)です

「Principles(プリンシプルズ):仕事と人生の法則」を読んで=>本能に反して進化させていくことの重要性

 

たまたま本屋で手に取った本でしたが。。

今回読んだ本はレイ・ダリオというヘッジファンド創業者の方が書いた「Principles(プリンシプルズ):仕事と人生の法則」です。

PRINCIPLES(プリンシプルズ) 人生と仕事の原則

PRINCIPLES(プリンシプルズ) 人生と仕事の原則

 

 

レイ・ダリオという人が創業した「ブリッジウォーター・アソシエイツ」は世界最大のヘッジファンドで、一部では「投資業界のスティーブ・ジョブズ」とも言われているそうです。この本はタイトルが示す通り彼の経験から生み出した彼の原則を仕事及び人生について紹介したものです。

 

この手の個人的な成功体験に基づく自己啓発本を買うことは少ないのですが、発売当初に日経新聞の書評に掲載されていて気になっていたことと、本屋で手に取った分厚さ?に惹かれて購入してしまいました。

 

この本は1)自分の生い立ち、2)5つの人生の原則、3)16の仕事の原則という3部構成から成り立っています。

 

正直筆者の生い立ちには興味がないので😅、1)は読み飛ばし、2)と3)を読みました。

 

ここまで人間の本能に反し自分自身及び組織のシステム化にこだわった原則を列挙しているのが逆に新鮮でした。

 

実際、人生の原則の中で筆者はこのように述べています。

  • ”自分をマシンの一部として動くマシンと考え、良い結果を生むようにマシンを変える能力があることを知っておこう”
  • ”結果と目標を比較して、マシンをどう改良するかを決めればいい”

自己啓発書などで、自分を他者(尊敬する人やヒーロー)におきかえてふるまうことを勧めるという提案はいくつか見たことがありますが、自分を「マシン」とみるというのは「人間的」な部分を排除しないといけないようで感情的に受け入れにくいことがあるのではないでしょうか?

 

筆者はそれを分かったうえで(随所で「感情」と「思考」の格闘について書かれています)、あえて本能に反したアプローチを提案しています。

 

今回は、人生の5つの法則の中で特に印象に残った「現実を受け入れて対応しよう」、「徹底的にオープンになろう」「人の頭の配線はそれぞれものすごく違う」に焦点を当てたいと思います。

 

ちなみに仕事の原則もいろいろと興味深いですが、合わなければやめてもらった方がいい」というような日本の労働法的には不可能なアプローチもありますのでご参考までに。。

 

現実を受け入れて対応しよう

これは、ありきたりのフレーズなのですが、筆者が求めているのは「超現実主義になること」です。生半可に現実を見るのではなく、現実はどう機能し、それにどう対応するかを正確に理解することが成功の基礎だというのです。

 

言うは易しですが、現実には、なかなか自分が望まないことを受け入れられない、また「こうあるべきだ」という自分の主張から逃れられず現実を直視することができないことが多くあります。

 

現実の機能を学ぶために必要なのは自然を見てその法則を理解すること。自然は個人の最適ではなく、全体最適で動いているのだから、自分のエゴや考えの中に固執することは自然の摂理に反しているからうまくいかないというのです。

 

徹底的にオープンになろう

これも「徹底的」というのがポイントです。徹底的にオープンになるというのは、単に「間違いを受け入れる」ことだけではなく、最善の答えを求めるために謙虚になる、自分の判断を止めて他人の意見を共感を持って聞くことなどが必要になってきます。

 

徹底的にオープンになることが必要なのは、いい意思決定を邪魔する二大要素の「エゴ」と「盲点」を克服するためです。この2つは自分の置かれた状況を客観的に見ることを難しくするとともに、人から最大限のサポートを得て最善の決定をする邪魔にもなるからです。

 

これもなかなか本能的には難しいことですよね。ただ本当にオープンになれば人にも信頼され適切なアドバイスを得られるため大きなメリットが得られることは間違いがないのですが。

 

人の頭の配線はそれぞれものすごく違う

簡単にいうと「人それぞれ違うんだ」ということなのですが、筆者は神経科学を学ぶことで人それぞれの脳が違うということがわかり、その違いを理解することで他人ともうまく付き合えるようになるといっています。

 

私も驚きだったのは、メンタルな違いは生理的なものから生まれるということでした。私たちは身体的特徴(背の高い、低い/目が大きい、小さい)は当たり前のように違うことがわかっていても、考え方や行動についてはその違いを認められないことがあります。幾分か変化をすることはあっても無限な柔軟性があるわけではないので、無理に変えようとするのではなく適材適所を考えたほうがいいというのです。

 

この章では、脳の中で感情と思考の間で一番の格闘が起こっており(前者は扁桃体で脳の原始的な部分ですね、後者は前頭前野です)、そのままに放置しておけば感情が思考に勝つことが多い(=扁桃体がハイジャックする)ということも紹介しています。ただ、扁桃体によるハイジャックは長くは続かないので過剰反応さえしなければ思考が勝つことも可能だというのです。

 

アンガーマネージメントなどで、6秒間を置こうといわれるゆえんですね。

 

この本を読んで

この本に書かれている内容はシンプルなのですが、実際に実行するということは本当に難しいと思います。一方で自分が成長を実感でき充実した人生を過ごすためにはこうしたことは不可欠だと思います。

 

まずは思考が感情に勝つよう脳を鍛えるところから始めようかと思います。そして現実を直視できるオープンな姿勢をとりつづけるようにしたいですね。