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会社での世代間ギャップは本当は存在しないかも?:ハーバードビジネスレビューの記事から学ぶ

 


アメリカの調査結果では仕事における年代や世代間によるギャップは見つけられない?

皆さんは職場で自分の世代と異なる同僚とギャップを感じることはありますか?

 

私は多々あります。

 

例えば若い20代後半から30代の同僚については、行動が速いしプレゼンテーションの資料などもきれいなものをすぐ作りますが、情報源がネットだよりで物事が深く考えられていないなと思ったり。

 

50代前半~後半の同僚はPC操作が苦手で覚えられない人が多いなとか。 

 

それぞれの年代で時代が違うのなら仕方がないなと思っていたのですが、そんなのはないというハーバードビジネスレビューの記事のタイトルを見つけた時には思わずクリックをしてしまいました。

 

タイトルは"Generation Differences At Work are  Small. Thinking They're Big Affects Our Behevior (職場における世代間ギャップは小さい、それがあるということ自体が私たちの行動に大きな影響を与える)” というものです。

 

hbr.org 

 *記事の購読は定期購読者以外は3本まで無料。その後は1記事当たり約9ドル課金されます。

 

 リンクに書いているタイトルは違う内容になっていますが、リンクを開いたときの記事のタイトルのほうが記事の趣旨及び結論を表しているのでそのまま書かせていただきました。

 

実際、総勢20,000人を対象とした20近い調査の結果を全般的に調査したところ、

  • 世代間グループでの比較による職場における態度の違いは小さいか矛盾している
  • 社会人生活の中で興味やニーズ、好みや強みが変わってくることはあっても、年代や世代により異なるという結果は認められない

ということでした。

 

世代間ギャップの2つの落とし穴

 じゃあ、世代間ギャップということがインパクトがないかというとそうではないのです。問題は、世代間ギャップが存在していると思っていることなのです。より詳しく言うと、2つのステレオタイプから問題が発生するのですが、その2つが正確でない、一致していないということにあります。

  • 自分が他の世代をどう思っているのか(age-stereotype(世代のステレオタイプ)
  • 自分の世代が他の世代からどのように思われているか(meta stereotypes(メタステレオタイプ:メタは第三者的に自分を見るということです)) 

実際、アメリカで3世代(若者(18-29歳)、中年(33-50歳)、シニア(51-84歳))247人にそれぞれ、1)自分以外の世代に対する印象と2)自分の世代型の世代からどう見られているか というのを書いてもらったのですが、総じて他の世代は自分の世代が思っているよりもポジティブに見ているということです。例えばシニアは自分たちは「融通が利かない」「頑固者」などと思われていると思っていますが、他の世代は「責任感がある」「勤勉だ」とかなり違いがあります。

 

では、この2つのギャップにより何が問題になるのでしょうか?

 

1つ目は世代による思い込みにより、本来発揮できるべき能力が発揮できないということがあり得ます。実際PC研修を使った実験については、講師が受講者がシニア世代だと知るとその研修内容を初歩的なものに下げるといった結果がみられました。個人による能力の差が大きいのであれば、単に世代だけで研修内容を変えることは、その人の能力開発を損ねるリスクが考えられます。これは研修だけでなく日々のやり取りでも同じだと思います。

 

もう1つは、このギャップにより職場でのやり取りにマイナスの影響があるということです。実際、メタステレオタイプが会社でどのような影響を及ぼすかということを調査したらしいのですが、その結果人は時に挑戦的に行動したり、恐怖で委縮した態度をとるということがみられたそうです。「どうせこういう風に見られているんだから。。」というところから不必要な摩擦や非生産性を生んでしまうということですね。

 

筆者はこういう事態についてのマネージャーは3つの対処法が必要だと述べています。

  • 二つのステレオタイプについてチーム内で話すこと
  • 共有ゴールを持つことでチームの一体感を強化すること
  • 社員の優先順位や経験、体力は年齢とともに変わること(ただし人によって違うこと)

一瞬3番目の対処法は何故だろうと思ったのですが、同じ人でも時とともに変わるということで世代間ギャップによるステレオタイプをできるだけ避けようということなんでしょうね。

 

この記事を読んで

この記事の調査結果はアメリカのものなので、日本でも同じ結論があてはまるかどうかはわかりません。が、どこかで世代でステレオタイプを作っていた自分もいるので、できるだけステレオタイプを押し付けないよう気を付けたいと思います。

 

同じような調査が日本で出ることを期待しましょう!(もしかしたら出ているかもしれませんが。。😅)