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価値観が合わない会社で働くと不祥事が起きやすくなる?:ハーバードビジネスレビューの記事から学ぶ

 

自分の価値観をすぐに答えることができますか?

価値観は、英語で”Values”と訳されています。よく私が参考にする”Oxford Wordpower"では以下のように定義されています。

 

 Beliefs about what is the right and wrong way for people to behave ((人の振る舞いにおいて何が正しく、間違っているかについて信じるところ)

 

実際日本語でも「この人とは価値感が合わない」とかいうことはありますが、実際自分の価値観を言葉にすることはありますか?

 

私は外資系で働くまでありませんでした。もちろん価値観を持っていなかったわけではありませんが、面と向かって尋ねられたこともありませんでしたし、価値観を言語化することが重要だとも思いませんでした。

 

ですので、最初に入った外資系で「あなたの価値観を書いてください」とトレーニングで求められたり、「自分の進みたいキャリアが自分の価値観とあっている?」と上司に聞かれたときにすごく戸惑いました。

 

そもそも、価値観は個人的なものなので会社という場所で話し合うことに抵抗があったのです。 

 

ですので、今回ハーバードビジネスレビュー(HBR)の記事で、”Why Authentic Workplace Are More Ethical?(自分自身でいられる職場ではなぜ倫理的な問題が起こりにくいのか?”を読んでさらに納得しました。

 
hbr.org

 *記事の購読は定期購読者以外は3本まで無料。その後は1記事当たり約9ドル課金されます。

 

この記事の結論はタイトルが示す通り、自分自身でいられる(=この場合欧米的には自分の「価値観に合う」ということです)環境で働くことができると、社員がモラル的な行動をとり、ビジネスリスクが低くなるというのです。

 

では、どのような調査が行われたのでしょうか?

価値観が合わないと不祥事が起きやすい?

この結論はある実験と調査結果から導かれています。

 

まず実験(4回にあたり800名が参加)は以下の通りです

すると、仕事とプライベートのアイデンティティが異なる人はそうでない人に比べて「不誠実な(Dishonest)」行動をとっていたし、コインの表裏を充てるゲームでも嘘をつく可能性が高かったそうです。

 

もう1つの調査結果は部下の行動に対する上司のアンケートですが、自分の価値観と合わないと感じている部下の行動は問題行動を起こす(例:経費精算でより多くの払い戻しを受けるために虚偽の領収書を添付する)可能性が高いというものでした。

 

この調査結果を受け、筆者は①社員がある程度コントロールできるようにすること(Give them some control)、②会社の氏名や価値観を明らかにし、それに従うこと(Explicate and live your mission and values)、③プロセスや規則に透明性を持たせること(Promote transparency about process and policy)をすすめています。また、価値観との一致は若い世代のほうが重要視するため、逆に中年世代には会社と自身の価値観を一致するよう押し付けないほうがいいといっています。

 

この記事を読んで

1点目は「自分はこの結果に当てはまるな」ということです。不正を不正のまま置いておくような社風の会社では働けないですし、同僚同士いいところも悪いところもあけっぴろげに話すことができる方が快適だと感じるからです。幸い20+年間働いていて比較的自分の価値観に近いところだったので、どの組織でも長く勤められたのかもしれません。

 

2点目は、「個人の価値観が明確でないからこそ、日本の企業は集団で不正行為に走るのだろうか?」とも思いました。あまり自分が何を重要と感じているか、正しいと感じているかを自問してこないと、悪い行動だと分かっていても止めることが難しいのかもしれません。また、企業が価値観やミッションを作っても、お飾りで終わるのもそのせいなのかなとも思います。

 

自分を守るためにも、そしてプロフェッショナルとして生きるためにも自分の価値観を明確に数ることは重要かもしれませんね。