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物事の整理ができない社員の対処法:ハーバード・ビジネス・レビューの記事から学ぶ

 

こんな社員いませんか?

机の上が雑然としていて資料がすぐに出てこない

提出物の締め切りにいつも遅れる

会議・約束の時間にいつも遅れる

自分が主催した会議を最後の最後でドタキャンする

 

こんな同僚や部下を皆さんは目にしたことがありませんか?そして彼らと仕事をするとなるとどう思われますか?

 

英語ではこのような人たちをdisorganizedといいます。物事・時間に対してorganize (整理する;組織(Organization)の動詞ですね)できない人たちのことです。

 

日本は約束を守る・時間厳守というのが社会のルールになっているので、比較的organizeされた人が多いです。締め切りが過ぎて提出する人はいますが、そのことを言うと大体「すみません」といってすぐにやってくれますし、会議に大幅に遅れるということもありません。

 

一方、海外の人と働くと決してそうではありません。もちろん人にもよりますが、約束したことをきちんと期限までにやらずに平気でいる(むしろ開き直る)、会議のドタキャンが当たり前(以前の職場のインド人の主催した会議は80%が15分前にキャンセルでした)なんてこともあります。

 

これから海外の人や外国人と働く機会がますます多くなると思いますが、ハーバードビジネスレビュー(HBR)の”How to Manage Someone Who is Totally Disorganized (全くものごとの整理ができない人にどう対処するか)”はいいアドバイスをくれているので、今回はこの記事を紹介したいと思います。

hbr.org

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物事の整理ができない社員の対処法

 おそらく多くの人が、記事の最初に書いたようなDisorganizeな人と働くとなるとフラストレーションを感じるでしょう。

 

しかし、筆者は言います。

One of the biggest reasons you’re frustrated and upset is that it’s different. (あなたがフラストレーションを感じたり戸惑う一番大きな理由は違うからなのです)

  

私はこれはとても重要な視点だと思っています(特に日本人にとって)。期限を守って当たり前、最初に約束したことは行うことは当たり前・・この自分が思っていることが当たり前という感覚はとても危険です。

 

私個人は、物事を事前に計画してその通りにしないとストレスなのですが、そうでない人もたくさんいます。プライベートではともかく仕事で自分の価値観を押し付けることは、自分が余計なストレスを抱えることにもなりますし、うまく仕事が回らないというリスクもあります。

 

ですので、Disorganizeな人がチームにいて、何か対策を取らないといけないと思った時は、まず、”what your team needs” and “what you need as a boss to be as productive and effective as possible”(自分のチームに何が必要なのか、(上司であれば)上司として生産的かつ効率的に対処するために何が必要なのか)を考える必要があるということです。

 

そのために述べられた対処法はDisorganizeな人だけでなく、自分と違う人たちや部下の対処に使えるヒントだと思います。

  • Reflect on the size of the problem(問題の大きさを考える):Disorganizeな人が起こしている問題がどれだけ大きいかをまず考えるということですね。チーム全体の生産性やビジネスへの影響が少ないのであれば対処しないというのも一つは有効な策です。
  • Be empathetic(共感する):誰にでも得手不得手はあります。相手ができないことを責めるのではなく、その人ができない状況に対して共感をしてあげ、何故それをすることができないかを丁寧に話し合っていくことが重要だということです。
  • Talk to your employee(社員に話す):話すときにはDisorganizeなことによる影響とその結果を知らせましょう。例えば締め切りが遅れることで顧客への信頼を失うとか、会議の資料提出に間に合わないとか、具体的に述べて本人に納得感を与えるということが重要です。
  • Share best practices(模範例を示す) 本人はどのようにしたらいいかわからないだけかもしれないので、ファイルの整理の仕方や時間管理術を教えてあげましょう。
  • Offer career advice(キャリアアドバイスをする):キャリアアドバイスというと大げさですが、本人がどのような働き方をしたいのかを確認することで、その観点から今の問題を対処するアドバイスをすることです。例えば机の整理ができない人は余計な時間を使い不必要な残業をしている傾向が強いです。そうした人が「もっとプライベートに使える時間が欲しい」という言葉を聞き出せれば、本人の希望とこちらが修正してほしいことが合致するので、修正がよりしやすくなります。
  • Break down assignments(仕事を細かく分ける): 仕事を先延ばしする人は、どこから始めていいのかわからず、無駄に時間を費やしているケースが多いのです。なので、大きな仕事を小さなパートに分けることを覚えることで、仕事が進めやすくなるかもしれません。
  • Be patient(がまんする):いろいろやってもすぐに成果が出るとは限りません。まずは態度を変えようとする努力を認めてあげ、変化の兆しがあればそれを誉めてあげましょう。

いかがでしょうか?結論から言うと、①ビジネスにインパクトがあることに焦点をあてること、②相手の立場になること、③自分ができることは惜しみなく与えること、④すぐに成果が出なくてもがっかりしないこと、でしょうか。自分を変えるのも大変なのに、他人を変えるのはましてもっと大変です。特に部下の場合などは、少し長い目で信じてみてあげることが重要ですね(自分への戒めでもあります🙄)

 

記事から学ぶ役に立つビジネス英語

  • drop the ball(へまをやる。途中で放棄する):だれかが失敗した、途中で放棄したことを表現するために使われます。She dropped the ball on project A due to her own other priorities. (彼女にとっての優先順位が高いもののためにProjectAを途中で放棄した)みたいな感じでしょうか?
  • He became known more for unreliability and irregular follow-through (信頼できない、毎回仕事をやり遂げられないということでより有名になった)became known for unreliability (信頼できないということで有名になった)という表現や、follow-through(仕事をやり遂げる)という表現は使える表現だと思います。