他人の決断は自分の決断より簡単な理由:ハーバード・ビジネス・レビューの記事から学ぶ
何かを決める際に自分自身のことだとなかなか決められないということはありませんか?
私も時々そう思うことがあります。特に重要な決定(転職する、家を買う、好きな人に告白する、恋人に別れを切り出す)については、こうしたほうがいいと分かっていてもなかなか踏ん切りがつかないということがありました。
ではなぜそうなのか?HBR(ハーバードビジネスレビュー)に、自分と他人のための決断の仕方の違いというおもしろい調査結果が載っていました。
タイトルはずばり「Why It's Easier to Make Decisions fo Someone Else(何故他人のための決断のほうが簡単なのか?)」です。
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調査にあたって注目したのが、そのプロセスと他人と自分で決定をする際の情報量です。
そのために1000人以上の参加者に8種類の調査を行い、参加者はいろいろな想定(レストラン、仕事の選択、デートの相手)の中で自分、他人の選択をするようにいわれました。
(原文)
We were interested in the process and quantity of information a decision maker uses when choosing for others versus choosing for the self.
we performed eight studies with over a thousand participants. Throughout the series of randomized tests, participants were given a list of restaurants, or job options, or dating profiles — each with detailed information and then participants were asked to make choices for themselves or for someone else based on that information.
調査の結果、やは決断方法がが自分に対してと他人に対しては違うという結果になりました。以下がその結果です。
- 自分に対する決断に対しては少ない選択肢から選ぼうとし、それぞれの選択肢の細かいことに注意が行きがちになる。(<=このような意思決定方法を筆者はCautious Mindset(慎重なマインドセット)と呼んでいます。)
- 他人に対する決断は、逆に多くの選択肢から、それぞれの選択肢の全体で決めようとする。(<=このような意思決定方法を筆者はAdventurous Mindset(冒険的なマインドセット)と呼んでいます。)
”Cautious Mindset(慎重なマインドセット)”と”Adventurous Mindset(冒険的なマインドセット)”という名前が示す通り、自分に対する決断は慎重かつリスクを取りたがらない傾向にあり、他人に対する決断は、より大胆かつ創造性も高いというのです。また他人に対する決断については、喜んで(記事内では "with more gusto"と表現されていました)相手にその決断を勧めることができるという調査結果も紹介されていました。
こうした結果から、自分の決断に対してどのようにすればいいか?筆者は2つのことを提案しています。
- よりよい事実から判断することを助けてくれるメンターや友人を持つこと(everyone should have a mentor, or a blunt friend who can help people see and act on better evidence.)
- 自分で決断するときには、第三者的な立場で決断をすること(“what should I do?” の代わりに、“what should you do?” と自問する)
今度何か重要な決定をするときは、この方法を使ってみたいと思います。