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先行きが見えない不安への対処は今に集中すること:ハーバードビジネスレビューの記事から学ぶ

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コロナ禍での不安に押しつぶされないために

 コロナウィルスの影響で生活様式や社会が変化をし始めてからかれこれ5か月近くが経ちます。

 

感染者数が減少したかと思えば増え、いろいろな立場の人が様々な意見を言う中「先行きが見えない」と感じている人も多いと思います。

 

こうした思いは別に日本だけでなく、さらにコロナの影響が大きい欧米では多くの人に不安が広がっています。

 

そうした中、こうした不安をできるだけ少なくし将来に希望を持てるヒントを掲載した記事をハーバードビジネスレビュー(HBR)で見つけましたので今回はこれを紹介したいと思います。

 

タイトルは”Anxious About What's Next? Here's How to Cope(将来に不安がある場合への対処方法”です。

 

*記事の購読は定期購読者以外は3本まで無料。その後は1記事当たり約9ドル課金されます。

 

記事のポイントは:

  • 不安な状態に陥ると脳の原始的な部分である扁桃体が活発化し“戦闘”もしくは”逃げ”モードになるか、知識を集めたり何とか問題解決しようとして考えすぎてしまう。
  • 同時に扁桃体の活発化は自分だけのことを考えたり視野を狭くさせてしまう。
  • 不安への対処は、こうした脳のデフォルトモードを書き換える必要がある。そのためには自分と向き合うことが重要。

 

本能と逆行することを行う

私がこの記事を読んで「はっ」と思ったのがこういう先が見えない時に考えすぎてしまうこと・情報を集めすぎることがさらに不安をあおるという点でした。

 

We see people operating in survival mode, walking around with 'let's think our way through this crisis’ mentality. But this hyper analytic mindset can backfire and lead to obsessive rumination and worry. (人々がサバイバルモードになって’この危機を通じて考えよう’としているのを見かけます。しかしこのように考えすぎるマインドセットは逆効果で過度に何度も同じ考えが行き来したり不安をもたらすことがあります)

 

この時代ネットで情報があふれかえっているためさらにこの傾向が悪化しているのではないでしょうか。ただし相手は新しいウィルスで分かっていないことが多くあります。情報を過度に集める、それを基に考えるということがかえって不安を増長しているというのは納得できる点です。

 

もう1点の気づきは「自分のことだけを考え、視野が狭くなるということ」。以前の記事でも紹介しましたが、こうした危機的状況ほど自分の利害を超えて他の人と協働することでいい結果が得られます。またこの記事でも、同じ贈り物を自分よりも他人に挙げた方が幸せになるという調査結果が紹介されていました。

millebon.hatenablog.com

 

こうした、危機的状況の際にデフォルトで動く脳のモードを変えるためには「自分の心がどのような状況」になっているかということを冷静に見つめなおす必要があります。例えば、1日のうちいつが自分の生産性の高い時なのか、どういうときに自分が不安になるのかなど自分の「クセ」を知ることが重要だといいます。

  

今ここにある”Be present"の重要性

自分の「クセ」を知るとともに、不安なモードから解消するためのコツとして「今に集中する(Be present)」ことををすすめています。

 

おすすめとして挙げているのが

  • Create a ritual to set intention and focus attention(意図を設定し注意力を集中させる習慣をつける)
  • Be fully present with those around you (周りにいる人に対してきちんと注意を傾ける)
  • Pay more attention to daily 'sense’ experiences around you. (自分の日々の感覚により注意を払う)

私も時折短い瞑想をしたり、少し緊張したときに自分の呼吸や感覚に集中するのですが、そうすることで余計なことを考えず、穏やかな気持ちになります。

 

一方、ちょっとした隙間時間を埋めたい衝動とはいつも戦っています。明らかに空白時間に対する「我慢」がなくなってきつつありますね。

 

将来を不安視してもあるのは「今、この時」だけ。このお盆の期間を活用して”Be present"でいられる自分でいたいなと思います。

 

記事から学ぶ役に立つビジネス英語

  • go out the window (すっかりなくなる):この記事で初めて知った表現ですが、面白い表現だと思い紹介させていただきました。記事ではコロナにより”Our daily habits and routines have all gone out the window (私たちの日常の習慣やルーティンはすっかり消えてしまった)”という使われ方をしていました。
  • knowledge-gathering (知識の収集)/problem-solving(問題解決):”名詞-動詞の現在進行形”での名詞の作成方法ですね。problem-solvingなどは採用時の基準などで良く目にする単語です
  • backfire(裏目に出る):想定したことと逆になるということでこちらもよくつかわれる単語です。本文ではじょうきでしょうかいしたように”This hyper-analytic mindset can backfire (分析しすぎようとするとかえって裏目に出るかもしれない).”と使われています。