危機的状況だからこそチームワークが重要:ハーバードビジネスレビューの記事から学ぶ
チームワークが高い会社はリーマン危機後のビジネスが伸びた!
コロナ禍により、日本の経済状況は非常に厳しい状況に置かれています。
それどころか、どうなるのかさえ分からないという混とんとした状況ですよね。
こうした中過去のリーマンショックでの学びを基に、チームワーク(Collaboration)を高めていくことがこうした危機的状況には必要だという記事がありました。
タイトルは”7 Strategies for Promoting Collaboration in a Crisis (危機的状況下においてチームワークを高めるための7つの戦略)”です。
*記事の購読は定期購読者以外は3本まで無料。その後は1記事当たり約9ドル課金されます。
まずこの記事で興味深かったのが、人は危機的状況では、不安のためリスクを回避する傾向が強くなり、違う視点を探さなくなるということです。
そして、過去にうまくいった行動や解決策に頼りがちになるそうなんですね(これを研究者は'Threat rigidity (脅威から生じる硬直性)’と呼んでいるそうです)。
こうした人間の傾向に対し、リーマン時の同業種の経営の結果を見ると、チームワークを促進し様々な観点が積極的に取り入れられた企業は、危機の時も売り上げを伸ばしていていました。
実際の結果のグラフが記事に紹介されていますが、チームワークパターンがもっともよくみられた上位10%はリーマンショック時も売り上げを伸ばしたのに対し、下位70%はリーマンショックに大幅に売り上げを減らしています。
危機後5年の業績を見ても上位30%まではリーマン前より売り上げを伸ばしていますが、それ以外の70%はリーマン前の水準を取り戻せない状況でした。
これは大きな差ですね。
何故危機的状況ではチームワークがより重要になるのか?
筆者によると、チームワークを重視する人々(企業)はこの危機的状況において自分のやり方を進化させ、自分の役割の範囲を超えていろいろな人とつながろうとします。危機的状況を”脅威”ではなく”機会”ととらえるんですね。
その結果としていろいろな人とつながりこれまでとは違う機会をつかむことに成功します。
一方、チームワークを重視しない人々(企業)は自分の仕事の範囲だけに特化し、ネットワークや自分の視点を広げるということをしません。
そのため、危機が去っても仕事の幅・やり方が狭くなっているため、危機から脱した後のビジネスもうまくいかないということなんですね。
ではどのようにチームワークを醸成していくかということに対しタイトル通り7つのアドバイスをリーダー向けに掲げています。
- Encourage naive questions and constructive challenge (馬鹿げたと思う質問をしたり、建設的なチャレンジを推奨する)
- Watch out for hoarding behaviors(チームワークが後退していないかを注視する)
- Connect with the front lines(現場とつながる)
- Reinforce the business's purpose and goals frequently(事業の目的やゴールを頻繁に強調する)
- Get team members to reflect on their preferred ways of working (チームメンバーに自分の好きな働き方を考えてもらう)
- Play to your strength(強みで勝負する)
- Champion collaborative leaders and teams (自分がチームワークを推進する見本になる)
特に目新しいものではありませんが(失礼?)、危機的状況ほど原点に戻るということですかね😉。
この記事を読んで
今回「チームワーク」と訳したもともとの単語は「Collaboration(協働)」です。チームといっても今自分が所属しているチームだけではなく、社内外幅広くネットワークに目を向けること、そして新しい視点を積極的に取り入れるということがこの記事のキーポイントだと思います。
危機に直面するとつい「今をどうするか」、「将来のことについてなんて考えられない」と思考がなりがちなのですが、こういう時こそ視点を変えかつポジティブにとらえることの重要性を再認識したような気がします。
感染者数が再び増加傾向で暗いニュースが多いですが、何かここにチャンスがないかという視点で見たいですね!