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心のオープンさ(Open-minded)を計測?:ハーバード・ビジネス・レビューの記事から学ぶ

「ベンジャミン=フランクリン」という方をご存知でしょうか?

 

アメリカの資本主義の育て親ともいわれ、貧しい家から自分で事業を起こし、出版業者、哲学者、経済学者、政治家としても活躍した方です。

彼が生きていたのは18世紀ですのでもうすでに400年近い前の人物ですが、彼の自伝はアメリカでも広く読まており、今でもアメリカのいろいろな啓発書やビジネス書や記事にも大きな影響を与えています。

今回HBR(ハーバードビジネスレビュー)で読んだ”A new way to become open-minded(心をオープンにする新しい方法)”も彼が他人の議論とする際にいうことにしている言葉から始まります。

hbr.org

*記事の閲覧は定期購読者以外は3ドルまで無料、そのあとは1記事あたり9ドルかかります

 

彼は、議論を行う際には「自分の考えはもしかしたら正しくないかもしれないけれども“( I could be wrong, but…)」という一言を必ず述べていたというのです。そうすることで、話す相手も反対意見を言われても自分が責められたととることが少なくなり、フランクリン自身にも新しい考えにオープンになるということができたのではないかと筆者は述べています。以下原文

Saying this put people at ease and helped them to take disagreements less personally. But it also helped him to psychologically prime himself to be open to new ideas.

 

ただし、英語でいう”Open-minded”というのは、日本語での「心の広さ」と同義語でとらえないほうがいいようです。手元のOxford wordpowerで"Open-minded"を調べるとと”Ready to consider new ideas and oppinions”すなわち、「新しい考えや意見に対して受け入れる準備がある」と書かれています。日本語で「心が広い」というと他人の間違いや素行を許すというようなニュアンスも入るので、定義がより限定されていますね。

 

では、なぜOpen-mindedが必要なのかというと世の中がDisruptionの脅威が常に差し迫っている(on the horizon)からだというのです。”Disruption"というのは直訳すると”破壊”なのですが、ビジネスの世界では技術や進歩が順を追ってではなく、急に別次元の新しい価値をつくる”Disruptive Innovation(破壊的イノベーション)”がいつ起こっても不思議でない状況にあるとよく言われているので、ここでは、そういう意味で使用されたのだと思います(あくまで私の解釈ですが😅。破壊的イノベーションの考え方は「イノベーションのジレンマ」という有名な本にコンセプトが書いてあるので、興味のある方は是非お読みください

Changing our methods and minds is hard, but it’s important in an era where threats of disruption are always on the horizon.

 

イノベーションのジレンマ (―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press))

イノベーションのジレンマ (―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press))

 

 

 さて、HBRの記事の本題は、”Open-minded”をどのように測定するかということで、以下の5つが重要だと述べています。

  1. Having respect for other viewpoints (他人の考えに対して敬意を払う)
  2. Not being intellectually overconfident (自分の知識レベルに自信を持ちすぎない)
  3. Separating one’s ego from one’s intellect (自分の知性と自惚れを分ける)
  4. Willingness to revise one’s own viewpoint (自分の考えを喜んで変える)
  5. “openness to experience,” or a willingness to try new things or take in new information (新しいことにチャレンジしたり、新しい情報を進んで取り入れる)

この5つの観点からOpen-mindedを無料で測定ができるサイトのリンクもありやってみると面白いです(メールアドレスを入力するだけですぐに測定できます)。


www.shanesnow.co

 

ちなみに、私は、”Separating one’s ego from one’s intellect (自分の知性と自惚れを分ける)”が一番高く、”Willingness to revise one’s own viewpoint (自分の考えを喜んで変える)”が最も低かったです。個人的にはこの結果は自分の状況にあっているなと思いましたし、もっと柔軟に考え方を変えていく力をつけていきたいなと思いました。

 

Open-mindedは依然紹介した”Humility(謙遜)”がリーダーにとって重要だという記事にもつながっていくのかなと思います。自分の考え方がベストでないと思うということは、他人の考えや新しいものにオープンでいる必要がありますものね。

millebon.hatenablog.com

ちなみに冒頭で紹介したベンジャミン=フランクリンは有名な13徳を残していますが、この最後が実は”Humility”なのです。偶然の一致ですが、いろいろな意見や考えを取り入れていくことができたからこそ、偉業を成し遂げられたのでしょうね。(13の徳についての英語の紹介のサイトを見つけましたので、興味があれば見てみてください)

13の徳について: http://www.thirteenvirtues.com/