お金よりも時間を優先して幸せになろう①:ハーバード・ビジネス・レビューの記事から学ぶ
アメリカ人の80%が時間が足りない!
”Time is money (時は金なり)”
日、英に関わらずこれと同じことわざを持つ国は多いのだと思いますが、現代人の多くは時間がないと感じている人が多いようです。今回紹介するハーバード・ビジネスレビュー(HBR)の記事”Time for happiness(幸せのための時間)”によると、ギャロップという民間調査会社がアメリカ人250万人に対して実施した調査によると、なんと80%が必要な時間が足りないと答えています。
この事実については特に驚くべきではありません。が、
①時間が足りない人は幸福度が低い
②その原因は金銭的報酬を時間よりも重要視しすぎているためである
③またそのような傾向にあるのは金銭的に余裕がある中高所得者である。
となると「え、何かが間違っているのではないか?」と思いませんか?
*この記事は定期購読者以外でも無料に読めるようです。長いですが面白いのでよければ読んでみてください😊。
ということで、今回は時間とお金と幸せについての関連性について述べた記事をご紹介したいと思います。
お金を優先しすぎている事実
この記事はお金と時間、幸せについての調査を多く紹介しており(一部は自分たちで行った調査もあります)、それがこの記事を説得力のあるものにしています。
記事にあった調査結果を紹介しますと
1.中高所得者のほうが時間が足りないという感覚が高い
- 欧米、アジアの中高所得者層の調査では、給料の高い人ほど時間がないと感じている。
- オーストラリアで3万人に対して行った調査では時間のストレスの高さと所得の高さに相関性がみられた。
高所得者の人は高い地位についているのでその分忙しくて時間がないというのは理解できますよね。特に欧米の企業は地位が高くなればなるほど忙しくなりますので、多くの時間を仕事に費やさなければならない状況になるということです。
2.お金よりも時間が大事にしてしまう調査結果
- 時間のほうがお金よりも価値があると答えたのは48%(すなわち過半数以下)で、高所得者層でも同じ。
- 約800人の億万長者に対して実施した調査によると、50%は自分がしたくない仕事を誰か代わりにやってもらうことをしない。
- 1000万ドル(約10億円)の資産を持っている人はもっと幸せになるためにはお金が必要だと考えている。
これはなかなか面白いですね。特に、億万長者と呼ばれる人が、お金を重視し、時間を犠牲にしているというところが興味深いです。
高所得者層でなくてもやはり時間よりお金を優先する傾向は高いという結果が多いということです。例えばこんな調査結果が紹介されていました。
- 思いがけず40ドル(4000円程度)を手にしたとどうするかという質問に対して、時間を買うために出費をすると答えた人は98人中たった2人。
- 99%の人はお金を払ってやってもらいたい仕事があるのに実際に行った人は17%。
何故時間を優先すべきなのか?
お金を優先するか、時間を優先するか。。それは個人の価値観と言ったらそれまでなのですが、結局時間よりお金を優先することによって幸福度が低いというところが問題なのですね。実際オランダ、デンマーク、米国、カナダの6000人の労働者への調査では、時間を節約するためにお金を使う人は人生度の満足度が高いという結果が得られています。
また、時間に対するストレスが高いということは肥満になる要因の大きな一つにもなっており、医療費にして480億ドル(4兆8000万円)の損失があるという結果もあるそうです。
往々にして時間がないことでストレスを抱えている人は
- 不安・うつの傾向が高い
- 運動しない(これが肥満にもつながるのでしょうね)
- 離婚率も高い
という傾向が強く、失業のストレスよりも高いという結果も。。。
もし十分なお金があるにもかかわらず時間を犠牲にして働いているのだったら、何のために働いているのかわからなくなりますよね。。
次回は何故お金を優先させてしまうのか、時間をお金よりも優先するための実践的なアドバイスを紹介します。
記事から学ぶ役に立つビジネス英語
・depression(うつ病):あまりいい単語ではありませんが、今日の病気で会社を休む主要原因なので、使わざるを得ない場面もあるかと思います。ちなみに本文では以下のように使われます。
Research shows that those who feel time-poor experience lower levels of happiness and higher levels of anxiety, depression, and stress.
・contributors to ~(~に対する貢献要因):ここでは貢献する人ではなく、それに対して貢献する要因に対して使われています。ビジネスにおいては、何が影響しているかというのを明らかにすることが重要なので、よく使われる言葉です。以下本文での利用方法
Public health officials rank it as one of the top contributors to rising obesity.
・pressed for time(時間に追われている):この記事の一つのテーマですね。この表現を使うと、本当に時間に追われているという感じがします。本当に忙しいときに同僚から声をかけられたときなどに使えます。