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週休3日制のメリット・デメリット:ハーバードビジネスレビューの記事から学ぶ

 

ヨーロッパでは時短が進んでいる?

 

「週休3日だったらいいのにな?」

と思うことはありませんか?

 

私は特に3連休後の週が終わるときに思います。その分仕事は忙しくなりますが4日勤務だとあっという間で集中できたような気もするからです。

 

実はヨーロッパではかなり時短が進んでいます。

 

フランスの週35時間制は有名ですが、最も先進国で勤務時間が短いオランダの週あたり勤務時間は29時間。8時間労働だと3日半ですね。この背景にはオランダではワークライフバランスを促進するためにパートタイム労働者として働いている人が多いというのがあります(といっても日本のようにお店の店員や工場のスタッフというパートタイマー独自の仕事ではなく、仕事の内容はフルタイムと同じで勤務時間と勤務時間に比例した給与が異なるだけだということです。以下の日経Dualの記事などを参考にしてみてください)。

 dual.nikkei.com

 

では実際に週休3日制を取り入れた企業のリーダーや社員はどう思っているのでしょうか?それについてまとめた結果がハーバードビジネスレビュー(HBR)で見つけましたので、今日はこの記事を紹介したいと思います。

 

タイトルは”Will the 4-Day Workweek Take Hold in Europe?(週休3日制はヨーロッパで定着する?)"です。

 hbr.org

*記事の購読は定期購読者以外は3本まで無料。その後は1記事当たり約9ドル課金されます。

 

この記事は、イギリスの505人のビジネスリーダーと2000人の社員へのアンケートの結果をメインにそのメリット・デメリットを紹介しています。

 

ちなみに調査を行ったリーダーの50%が自分の会社の全部または一部で週休3日制が導入されているそうです。結構進んでいるんですね~。

 

週休3日制のメリット・デメリットは?

 結論としては、週休3日制についてビジネスリーダー・社員とも「いいところもあれば悪いところもある」ということで全面賛成とまではいかなかったようです。

 

週休3日制のメリット

(リーダー側の回答)

  • 従業員の満足度があがった
  • 社員の病気が少なくなった
  • 離職率が低くなったことにより経費の節約になった

なかなかポジティブですね。ちなみに離職率による経費の節約は全体の離職の2%に相当する920億ポンド(1兆1700億円くらい)といいますから大きな経費節減ですよね。

(社員側の回答)

  • 77%が週休3日により生活水準が上がったと感じている
  • 67%のジェネレーションZ世代(1990年半ばから2000年前半)は会社を選ぶ基準に影響を与えている

2つ目のポイントのようにとりわけ若い世代への影響が大きいみたいですね。彼らは週休3日で使える時間をリラックスの時間というよりはボランティアや能力の向上や副業などに充てているようです。

 

週休3日制のデメリット

(リーダー側の回答)

  • 勤務シフトの作成が大変
  • 導入にあたっての手続き面での苦労
  • 企業競争力の維持

世の中が平日はビジネスを行っている状況がある中で顧客のニーズにこたえようとなるとシフトをどう組むかが課題になります。また給与を減らさないと考えると、20%の生産性をあげる必要があるため、そのメリットがあるかということになります。実際イギリス企業の中にはシフト作成の複雑性や競争力維持の観点から週休2日制に戻した企業もあるということです。

(社員側の回答)

  • 45%の社員が短時間勤務により自分が仕事熱心でないとみられることに懸念を示している。

社員が挙げたデメリットは本当は週休3日で働きたいけど、そうしたときの周りへの影響を懸念しているようですね。

 

こうした結果を踏まえて、筆者は「週休3日制がメジャーとなることは当分ないだろうけれども、今後試行錯誤の結果として週休3日を導入するベネフィットがそのコストを上回った時うまくいくのではないか」と締めくくっています。

この記事を読んで

 この記事を読んだ第一の感想は

「こんなにメリットがはっきりしているのに、筆者はえらく悲観的だな」

ということです。もちろん企業が懸念しているシフト作成やコスト増もわかります。でもシフトが本当に必要な仕事はホワイトカラーでは今後少なくなるでしょうし、給与については、社員へのメリットがあることを考えると同意の上下げるというのも一つの選択肢かなとも思います。

 

今副業の解禁が日本では話題になっていますが、週休3日制だとよりやりやすくなるのではないでしょうか?そうして会社外からの経験を通じて異なる視点やアイデアを持ち込んでビジネスを成長させてくれる社員が増えること(しかもモチベーションがアップしている)のほうがメリットは大きいのではないかと思います。

 

ちなみに「週休3日制」でググってみるとマイクロソフトがこの8月に週休3日制を特別休暇で導入してるんですね~。どんな結果になるのか楽しみです。

 www.fnn.jp

  

記事から学ぶ役に立つビジネス英語

  • mixed (良いとも悪いとも言えない):結果や感情などについて「ビミョー」なニュアンスを表すときによく使われます。この記事では”The results show a mixed bag of benefits and costs. (結果では便益と費用の両方が混じっていた)”という使われ方がしています。

 

  • upskill(能力・スキルをアップさせる):動詞で使われますが、今の時代に重要な単語ですね。記事では”They’re using their additional time to upskill, volunteer, and build side hustles.(Z世代は(週休3日で)空いた時間をスキルアップやボランティア、副業のために使っている)”という風に使われています。”side hustles(副業)” もトレンドワードだといっていいでしょう。