コロナ禍での”ステイホーム”は性格によって差が出る?:世界規模の調査結果より
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ブックマークの”断捨離”で見つけたコロナについての興味深い調査
大阪市内に住む私は、非常事態宣言前の12月初旬からちょっとした買い物やジョギング以外はステイホームの生活を送っています。
長い年末年始休みは、モノの断捨離をするとマンションのごみ置き場があふれるため、PC内のファイルの断捨離をしていました。
そこで以前何かの拍子でブックマークした”Greater Good Magazine”を消そうかな。。と思ったところコロナ禍でのステイホームと性格特性についての面白い記事を見つけたので、今回はこちらを紹介したいと思います。
タイトルは”Who Stays Home During the Pandemic-And Who Doesn't?(コロナ禍でだれが家にいていないか?)"です。
ちなみに”Greater Good Magazine”はアメリカの名門大学カリフォルニア州立大学バークレイ校が科学的根拠に基づいた”よりよい人生”を生きるためのいろいろな調査研究やヒントを集めています。
改めてコンテンツを見直すとなかなか面白かったので、今後はちょこちょこ訪問しようかなと思います。
外向性が高いほどステイホームは難しい?
調査はコロナ禍の初期である2020年3月~4月にかけて55か国の10万人以上に対するアンケートを基にしています(調査自体の概要はこちらのページにまとめられています)。
性格特性については、調査で回答者が答えた質問を基に”ビッグファイブ”という5つの性格因子を活用しで分類し、ステイホームの度合いを調査しました。
”ビッグファイブ”はこの記事を読むまで知らなかったのですが日本でも結構知られている学説のようですね。
人の個性を分類するビッグファイブの5つの因子は以下の通りです。この特性は5つに当てはめるのではなくそれぞれの要因についての強弱を見て判断するもののだそうです。
- Openess(開放性):好奇心の強さや想像力の強さ、芸術感受性、新しいアイデアや行為への親和性
- Conscientiousness(誠実性):感情やコントロールする力や良心性、達成力の高さ、責任感の強さ
- Agreauleness(協調性):他者への共感や配慮、思いやり
- Neuroticism(神経症的傾向):ネガティブな刺激に対する反応の強さ
- Extraversion(外向性):社交性や積極性、活発性
調査結果では、外出規制が厳しければ厳しい地域ほど、ステイホームの確率は高いのですが、規制だけでなくこの5つの因子による性格の違いも影響があったというのです。
端的に言うと外向性の高い人は他の4つの要因の高い人よりもステイホームをする確率が低いということでした。
外向性の高い人は社会とのつながりを重要視するためステイホームという新しい政策になかなかなじめなかったというのです。
一方意外なのが、開放性が高いということがステイホームを行う確率が一番高い指標になっているというのです。
この結果に対して調査を行った研究グループの意見は「開放性が高い人は海外からの情報をいち早く得ておりコロナ禍で自分がとるべき行動を把握していたのではないか」ということです。
この記事を読んで
ステイホームが何度も求められたこの1年間、確かに人によってどこまで厳密に守るのかということは違うなということを何度も感じました。
特に日本では「世代間の違い」で片づけられることが多いのではと思うのですが、この記事を読んで個々の特性により新しい施策になかなかなじめない場合もあるということを理解する重要性、そしてそれは多様性を尊重するということにもつながるのではないかと思いました。
調査研究グループはこの結果を受け「外出制限といった政策も必要だけれども、その政策になじめない人にケアをしたメッセージを発信することも重要ではないか」と述べています。
行ってほしいメッセージを一方的に伝えるのではなく、どうしたらいろいろな人に届くメッセージになるのか、もう少し工夫があればいいですね。
あとは今回の結果がコロナ禍初期なので、今でも同じ結果になるのかが興味があるところです。
調査結果は以下のページより参加できます(日本語でも参加できます)。トップページの”Result”ボタンを見ると各国の回答結果もわかります。3月~4月時点ですが日本はあまりステイホームしていないですね。。
いずれにせよコロナが早く収束することを祈るばかりです。