問題社員 への対応方法:ハーバード・ビジネス・レビューの記事から学ぶ
会社もある一定規模になると、必ず問題社員が1人2人はいます。
特に日本の場合、一度正社員になると、よほどの理由がない限り辞めさせられることができないため、周りの人が迷惑を被りながら問題社員本人は平然と会社に居続けるということがよくあります。
が、この問題は別に日本だけの問題ではなく、HBR(ハーバードビジネスレビュー)でも問題社員について扱った記事が結構あります。
今回は、その中で問題のある同僚をどのように扱ったらいいのかという記事を読んだ感想を述べたいと思います。
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まず興味深いのが、問題のある同僚は”Toxic Coworker"と表現される点。
日本語でそのまま訳すと”Problematic"と言ってしまいそうですがなぜToxicという表現を使っているのでしょうか?
ちなみに手元にある”Oxford wordpower dictionary”でToxicとProblematicを引いてみると
- Toxic: Poisonous (causing death or illness if you eat or drink)
- Problematic: Difficult to deal with
ということです。Problemは対処の難しさなので、周りへの悪影響という点を表現するのには、Toxicのほうがふさわしいかもしれませんね。
実際、問題社員への対処法を提示するにあたって、筆者の調査によりパフォーマンスの上がるチームかどうかは、チームの人間関係が唯一無二の要素だといっています。
In fact, 70% of the variance between the lowest-performing teams, which we call saboteur teams, and the highest-performing teams, or what we have labeled loyalist teams, correlates to the quality of team relationships — not some or most of the relationships, but all of them. Thus, one toxic team member is all it takes to destroy a high-performing team.
個人パフォーマンスが重視されるとみられがちなアメリカでも、一人でも問題社員がいたらチームのパフォーマンスを害するというのは同じなんですね。
さて、問題社員への対処法としては4つを上げています。
- Have an honest, candid conversation with the person. (その人に対し正直かつ率直な会話を行う)
- Raise your own game, and keep your ego in check. (相手に引きずられず、正しいふるまいをしているかをチェックする)
- Talk with your boss. (上司と話す)
- Finally, take care of yourself. (自分を気遣う)
どれも重要ですが、要点はやるべきことはきちんとやったうえで、自分で抱え込まないということでしょうか。
20年近く組織で働いていると、いろいろな人や組織に遭遇しました。そして大体うまくいっていない組織は、問題社員や問題に真摯に向かわない(例えば陰で悪口を言うが本人には伝えない)一方でその問題に振り回されています。
相手とうまくいかないときには「二ーバーの祈り」の一節を思い出しできることに集中するようにしたいと思っています。
God, give us grace to accept with serenity
the things that cannot be changed,
Courage to change the things
which should be changed,
and the Wisdom to distinguish
(神よ、変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えてください。
変えるべきものを変える勇気を、
そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを与えて下さい。)
こんな力と勇気と賢さを何時も兼ね備えていたいですね!