Factfulness(ファクトフルネス)を読んで:謙虚さと好奇心の重要性
- Factfulness(ファクトフルネス)が売れている理由
- ネット・ソーシャルメディア時代だからこそ重要なFactfulness
- 偶然にも紹介していたHBR(ハーバード・ビジネスレビュー)の記事につながった!
Factfulness(ファクトフルネス)が売れている理由
今、最も売れているビジネス書の一つが'Factfulness(ファクトフルネス) 10の思い込みを超え、データを基に正しく見る習慣”です。
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- 作者: ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド,上杉周作,関美和
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2019/01/11
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
私は昼休憩によく本屋に行くのですが、入り口の書棚にずら~っと並べられているのを見て、つい立ち読み。面白そうだったのでそのまま購入してしまいました😅。
実際読んでみて非常に学びが多かったので、もし興味があれば読まれることをお勧めします。
この本のすごいところは以下の2つの点にあると思います。
1.多くの人が間違って思い込んでいることを思い込みで信ぴょう性のあるデータで示していること
例えばなんとなく貧しい国やその人口は変わっていないのではないかと思ったり、今後も子供が増え続けて世界の人口は増え続け、食糧難やエネルギーの枯渇などに陥るのではないかと思いこんでいます。ただ実際には極度の貧困にある人は過去20年で半分になっているし、世界人口については女性一人当たりの出産数が減っているため子供の人口は2100年と今とではほとんど変わらないというデータを示しています。
このように示されると自分にショックを受けますし、新しい事実に驚きもします。読者が興味を持つように敢えて、万国共通の普遍的な事実をまずクイズ形式で答えさせてデータを示しているところがうまいなと思います。
2.その原因が私たちの本能からきており、10個のカテゴリーにわかりやすく分け、処方箋を提案していること
10個の本能とは「分断本能、ネガティブ本能、直線本能、恐怖本能、過大視本能、パターン化本能、宿命本能、単純化本能、犯人捜し本能、焦り本能」で、著者がいろいろな認知科学者の著作から影響を受け独自に分類をしたものです。
これらの本能はもともと人類が日々の生活に追われた長い歴史の中で培われたものだというのです。豊かになった今ではかえってこれらの本能は事実をきちんととらえることを阻害することで、自分たちで自分たちを不幸にしている側面があるということですね。
本の中ではそれぞれについて具体的な事例を示しつつ、処方箋を提案しています。各章のまとめのみならず、最後に10個の本能への処方箋を図柄で分かりやすく示しているところもこの本から得られる満足感の高さにつながっているのかもしれません。
ネット・ソーシャルメディア時代だからこそ重要なFactfulness
この本を読んだ直後に「日経サイエンス4月号」の特集「分断の心理学」を読み、ネット・ソーシャルメディアの普及の結果、正しいことが一層伝わりにくくなっている現象が日本でも起こっているという事実を知りました。特に「SNSが加速するタコツボ社会」という記事では、東日本大震災後の福島原発についてのツイッターを分析結果から、ソーシャルメディアでは自分たちが聞きたい声だけを聞いてコミュニティーがタコツボ化していく様子を明らかにしていました。
ネットでは、なぜか根拠もなく多数の意見を信じがちになります(オンラインショッピングのレビューの結果を見ると分かりますよね)。まだ、商品を購入するくらいでしたら被害も少ないのでしょうが(ビジネスの影響は大きいですが。。)、これが誰かの誹謗中傷や、政治・思想の話になると重大なことにつながりかねません。実際、今アメリカや一部のヨーロッパで起きていることもいい事実だけをかいつまんだ結果なのかもしれません。
ファクトフルネスの中で私が一番心に響いたのが実は「謙虚さと好奇心」を持つことの重要性なのです。筆者は謙虚と好奇心を以下のようにとらえています。
- 謙虚であること:本能を抑えて事実を正しく見ることがどれだけ難しいかに気づくこと。自分の知識に限りがあるということを認めること。堂々と「知りません」といえること。新しい事実を発見したら、喜んで意見を変えられること。
- 好奇心があること:新しい情報を積極的に探し、受け入れるということ。自分の考えに合わない事実を大切にし、その裏にある意味を理解しようとすること。答えを間違っても恥とは思わず、間違いをきっかけに興味を持つこと。好奇心を持つと心がワクワクする。好奇心があれば、何時も面白いことを発見し続けられる。
私たちが本能にあらがうことはとても難しいことです。であれば、まずは自分の限界を認め、わくわくしながら世界を見ることが何ですね~。
偶然にも紹介していたHBR(ハーバード・ビジネスレビュー)の記事につながった!
実は、「謙虚さと好奇心」というのはビジネスでもホットトピックになっています。なんと、それに関するHBRの記事をブログで取り上げていたのでテーマが重なってびっくり!
でも冷静に考えると、ファクトフルネスの筆者が書いた謙虚さや好奇心はビジネスしいてはいい人生を過ごすうえで非常に重要なことだから、当然といえば当然かな。ただし、この2つは本能的にあらがう部分もあるのでいかに意識して身に着けていくかが大切ですね。
人生日々精進です!!